鬼嫁日记

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キャスト
山崎早苗(28)・・・・・・観月ありさ
わがままで自己中心的、傍若無人な性格。

自分でその性格を直さないといけないとは全然思っていない。

そんな性格が、憎めない愛嬌となっている。

なぜ彼女がそんなキャラになったかというと、元をたどれば、母がそういう系統の性格だったから。

お人好しの父が母のわがままを無条件に受け入れているのを見て、それをモデルとして育ったのだ。

しかし早苗はなぜか母以上に強力なキャラになってしまった。

一馬に対しては自分のやりたい放題なので、いつも伸び伸びとして輝いている。

そして自分の気に入らないことには猛然と反抗して結局自分の考えを通してしまう。

だから全くストレスがたまらない。

彼女の言動の中には間違っていることもあるが、同時に視聴者から見て「そんなふうに出来たら楽だろうな」とか「そんなふうに考えれば簡卖だな」というようなことが色々とあり、なぜか癒されてしまうのだ。

そして一馬と早苗の夫婦関係が幸せそうで、うらやましく見えてくる。

「××に決定しました!」というのが口癖。

一馬に相談することもなく、思いの向くままにいろいろなことを決定してしまい、そこから毎回の騒動が起こっていく。

山崎一馬(32)・・・・・・ゴリ(ガレッジセール)
中堅文具メーカーの広報部に在籍するサラリーマン。

要領はよくないので会社で出世の希望はあまりない。

基本的には真面目な性格。

お人好しで小心者。

小心者だけに、困ったときに堂々と対処出来ず、チョコマカと策を弄してかえって自ら墓穴を掘ったりする。

鬼嫁への仕返しとしてブログに妻の素行を書いている。

時には男らしさも発揮する一面も。

妻の早苗は厄介なキャラだが、別にだまされて結婚したとか嫌々結婚したとかいうことではなく、彼女のキャラはわかった上で、それでも好きだから結婚した。

早苗にひどい目に合わされたり振り回されたりするのは、加害者と被害者の関係ではなく、それが二人の愛の形なのだ。

日々、ため息をついたり、他の女性を見て「あっちの方がよかったかな」と思ったりしても、本心では今の状態でいいと思っている。

他人から見ると、「どうしてあんな嫁さんで我慢してるの?」と思えるが、彼にとっては今が幸せなのだ。

大沢健児(28)・・・・・・永井大
スポーツクラブのインストラクターだったが、昇進して本部の顧客サービス事業局に勤務している。

前はチンタラ(やる気なく)とインストラクターをやっていたが、本部
勤務となると俄然責任も出て来て、やりがいも感じるようになった。

残業や付き合いの飲み会も多くなり、夜遅く帰ることも増えた。

以前は妻の冴子と家事は分担というのが建前になっていた(実際は健児の方が負担が多かった)が、仕事が忙しくなったせいで、いつしか冴子に負担がかかるようになって来た。

なし崩し的に分担表は守られなくなり、よくある共働き夫婦のように今では旦那はゴミ出ししかしないというパターンになっ
ている。

大沢冴子(26)・・・・・・滝沢沙織
幼稚園の先生を続けている。

主任になり、責任も増えた。

しかし健児が昇進したせいで家事の負担は冴子の方にかかっている。

表面的な会話などを聞いていると、以前のとおり冴子が健児を尻に敷いているように見えるが、実質はそうではなくなっている。

冴子も健児が昇進して頑張っているのだから、ある程度の犠牲はやむを得ないと思っている。

早苗と出会うことで、やはり女ばかり負担をかぶるのはおかしいと思い、自己主張するようになる。

そして以前のようなキャラを取り戻していく。

鬼嫁トリオ(三重奏、三人組)の中ではその知性を生かして参謀格となり、いろいろな作戦を練る役目をする。

沢村亮介・・・・・・小池徹平
スポーツクラブのインストラクター。

女性客に人気があり、亮介目当てで通う中年主婦たちからのレッスン後の誘いを、何かと理由をつけてかわしている。

しかし健児からは「お客さんの相手をするのもインストラクターの仕事」と言われ、顧客サービスに上手く利用されてしまう。

同じスポーツクラブの事務職員と付き合っているが、会員客にはもちろん職場でも秘密にしている。

また、焼き肉や節約に関して異常に詳しい一面を持っており、山崎家で行われるホームパーティに呼ばれたり、主婦顔負けの節約術を披露したりする。

村井あゆみ(25)・・・・・・井上和香
達也の妻。

色気があり、男好きするタイプ。

短大を出てすぐ結婚して、家庭に入った。

エリートの弁護士と結婚したことを周囲はうらやましがった。

自分も幸せだと思っていた。

その一方で、まだ若いのに女としての輝きを捨て、家にこもって主婦業をすることに息苦しさを感じ、自分の人生はこれでいいのだろうかとどこかで思っていた。

しかしそんな不満を感じるのは贅沢だ、手に職があるわけでもないのだから夫に頼って生きていくしかないのだと思い、自分を抑えつけていた。

早苗の影響で、我慢する必要はないんだと思い、どんどん外に出てボーイフレンドを
作るようになる。

鬼嫁トリオの中では「お色気」担当となり、いろいろな男を手玉に取る。

村井達也(33)・・・・・・東幹久
弁護士。

二枚目の上、弁護士というステータスもあるので女性にモテる。

自分は男として自負を持っており、あゆみのような人が羨むような妻を持つのは当然だと思っている。

職場で浮気をしているが、家庭を壊すつもりはなく、妻に対する罪悪感はない。

あゆみに対しては、家庭にこもって貞淑な妻でいることを要求しており、あゆみはそれに従っている。

自分は男として全てを手に入れたと思っていた。

しかしあゆみが早苗と出会い、その影響で自己主張を始め、外に出てボーイフレンドを作ったりするようになると、途端にオロオロしてしまう。

それまでの強い男は卖なる“張り子の虎”に過ぎないことがわかる。

いつも妻が浮気しないかとハラハラする情けない男になっていく達也。

そして最終的には、あゆみとの間にそれまでとは違う本当の愛情関係を結ぶことが出来るかどうかを模索することになる。

第一回
山崎一馬はわがままで自己中心的な妻の早苗に毎日振り回されっぱなし。

念願の一戸建てを手に入れて、引っ越し当日だというのに早苗が勝手に“節約コース”に変更したから、一馬は山積みのダンボール箱に囲まれて呆然。

一方、早苗はちゃっかりエステでリフレッシュ中。

「私の荷物は2階ね」と携帯で伝えると、一方的に電話を切ってしまった。

早苗の傍若無人な性格は母親の田代康子譲りで、その康子が夫の伸介とやって来た。

早苗は引っ越しそばをふるまうが、急に人数が増えたからと一馬の分だけ明らかに少ない。

おまけに早苗からわさびを今すぐ買いに行くよう命じられた。

一馬がようやく買って戻ると、すでにみんな食べ終わっている。

康子たちがお祝いに持って来たメロンも、早苗は切りにくいからと4等分。

娘のまどかの分はあっても、一馬は「味は一緒でしょ」とメロンアイスを食べさせられるハメに…。

一馬にとってはこれが平均的な一日。

すっかり早苗の言動に慣らされてしまった一馬にはささやかな息抜きがあった。

早苗が寝静まると、こっそりブログにその日の出来事をつけるのだ。

タイトルは『鬼嫁日記』。

翌朝、一馬は会社の出がけに早苗から「まどかのパンツ買って来て」と頼まれた。

しかも忘れないようにと、手に強力油性マジックで大きく“パンツ”と書かれてしまう。

かたや早苗は入会したばかりのスポーツクラブへ。

ところが慣れない運動にフラリとへたり込み、年下のインストラクター沢村亮介に介抱される。

亮介はスポーツクラブに通う主婦たちのアイドルのため、中年主婦3人組がその様子を憮然と見ていた。

一馬はデパートのパンツ売り場にいた。

どれがいいか分からなくて早苗に連絡すると「写メールで送って」とまたまた勝手な注文。

一馬が仕方なくパンツを並べて撮影していると「お客様、一体何をなさってるんですか」と警備員に連行されてしまった――。

早苗は「パンパカパーン、決定しました!」が口癖で、何でも一馬に相談なく決めてしまう。

今夜もイタリアン・レストランに出かけたいと「7時帰宅厳守!早苗」といった一方的なメールを一馬に送りつけた。

一馬は急いで駆けつけたが、早苗が予約してなかったので長い列の最後尾に並ばされた。

早苗とまどかは向かいのカフェでのんびりしてる。

「こんばんは」。

まどかが通う幼稚園の先生で、隣に住んでいる大沢冴子と夫の健児は予約していたためさっさと店内へ。

もう一組、一馬に声をかけてきたのはやはりご近所に暮らすエリート弁護士、村井達也と妻のあゆみ。

昨夜、一馬はわさびを探していた時、コンビニの最後の1個をあゆみに譲ったいきさつがあった。

両夫婦は親しげに挨拶しているが、一馬たちの順番は回ってこない。

結局、早苗が空腹に耐え切れず、近くの屋台ラーメンで済ますことになった。

翌朝、早苗はご機嫌ななめ。

仕方なく一馬が「今夜は何でも好きなもん食べたら?」と甘い顔を見せると、「決定しました!今夜は特上牛肉で焼き肉パーティーを開催します」と笑顔になった。

そして早苗は「あなたの財布から少しずつ抜いて貯めてたの」と、万札の入った封筒を差し出した。

さらに予算内で最高の配分に計算した、肉の種類とグラム数のメモを一馬の会社のファックスに送りつけ、自分は夜のためにスポーツクラブで汗を流した。

一馬は「そこまで気合入れなくても」と絶句。

とにかく希望通りの高級肉を買って帰らないと早苗が怒りを爆発させるのは間違いない。

会社を出た一馬は一目散で指定された高級肉屋へ向かった。

確かにおいしそうな肉が並んでいる。

ところがポケットに手を入れた一馬は青ざめた。

早苗から受け取った肉代の封筒を無くしていたのだ──。

第二回
一馬は月3万円のお小遣いをもらっているが、早苗は必要にかられると、この中からちゃっかり徴収していく。

給料は夫婦の共有財産と納得してはいるが、早苗はお金を使うのが好きなので、一馬は家計のことが心配でならない。

だから職場の温泉旅行につい
参加すると返事したものの、会費が3万円と聞いて後悔した。

「決定しました!」。

早苗もスポーツクラブで健児から勧められたホテルのレディースプランに今度の週末、まどかを連れて冴子とあゆみと出かけると言い出した。

会費はくしくも同じ3万円だが、一馬が「そんなお金どこにあるの」と苦しい家計を指摘するとぶ然となった。

片や一馬は非常時用に確保していた3万円を取り出して「死守しなきゃ」とニンマリ。

早苗が用意したのに本人はすっかり忘れているのは好都合だ。

一馬は見つからないように古いロボットのオモチャに隠した。

早苗は母親の康子に泣きついたが「うちだって楽じゃないのよ」と断られた。

ならばと「我が家ではこれから当分節約大作戦を展開します!」と発表した。

フリーター生活の長かった亮介から節約のノウハウを教えてもらって、3万円を捻出しようというのだ。

冷蔵庫の開け閉めからトイレの水量まで厳しくチェックされて一馬はウンザリ。

さらに暖房代わりに保温シートを体に巻きつけられ、一馬が「今度の土日までにホテル代浮かすなんて無理だよ」と漏らした途端、早苗は「そうだ!」と笑顔になった。

「ネットオークションよ」と叫ぶと、早苗は家中から不用品をかき集め出した。

その中には家電品に交じってあのロボットも含まれていたから一馬は内心焦った。

翌日一馬が会社でパソコンで検索すると、すでにロボットはオークションに出品されていた。

しかも同僚からは温泉旅行費を早く払ってほしいと矢の催促。

そこで一馬が早退してこっそりロボットの中から3万円を抜き出していると「ただいま!」の声が。

早苗とまどかが帰ってきたのだ──。

第三回
夢の中に着ぐるみの猫が現れた早苗は、夢診断で泥棒猫と解釈して一馬の浮気を疑い始めた。

バレた時の恐ろしさを考えれば、一馬にはそんな無謀なことをする度胸は無い。

だから達也から、妻のあゆみには出張と偽ってスナックの京子ママと箱根の温泉に出かけるつもりであることを打ち明けられ、更に浮気をけしかけられても耳を貸さなかった。

とにかく一馬は早苗に少しでも疑惑を持たれないように毎日心がけた。

わざわざ自宅近くまで傘を届けてくれた部下の里美に対しても逃げるように背を向けた。

ところが自宅に入ろうとしてシャツに口紅がついているのに気づいた。

しかも耳を澄ませると家の中では早苗とあゆみと冴子が、亮介からアドバイスを受けて、夫の浮気発見大作戦の真っ最中。

「やばい」。

一馬は達也から真新しいシャツを借りて急場をしのいだが、達也と健児は一馬がいくら否定しても浮気しているものだと思い込んだ。

達也は頼みもしない
のに一馬に浮気のバレないテクニックを教えてくれた。

一馬にだってスケベ心はあるが、一番望んでいるのは心の平穏だから浮気などする気は全くない。

しかし早苗は「やるからね!」と一馬に宣言すると、会社にまで「今どこにいるの?」とひっきりなしに電話をかけて携帯メールを要求してきた。

おかげて一馬はやましい事は何もないのに四六時中ビクビク、気持ちの休まることが無い。

冴子とあゆみも夫たちの身の回りのチェックに余念がなかった。

さすがの早苗も「ちょっと飽きてきた」と洩らしたので一馬が内心喜んだのも束の間、今度はまどかに落書きさせたトランクスを差し出された。

「浮気しないなら大丈夫でしょ?」とはかされて一馬が出社すると、なんと健康診断。

女医とナースに笑われたばかりか、里美にまで恥ずかしいトランクス姿をばっちり見られてしまった。

早苗の父親、伸介もつらい立場にいた。

つい見栄を張って口をすべらせ、昔の浮気話をしたばかりに、妻の康子の怒りを買ってカプセルホテル暮らし。

京子のスナックで一馬と伸介が溜め息を吐き合っていると、達也がウキウキした表情で現れた。

これから京子と箱根に出かけるのだ。

「遅い。

もう行くぞ」。

京子が美容院から戻ってきたのだと振り返った達也はギョッとなった。

ドアから入ってきたのは、なんとあゆみと早苗だった。

そして早苗は自宅で達也を追及する裁判を開く。

第四回
一馬の健康診断の結果に早苗の表情が変わった。

病気は無いが、体脂肪などすべて標準値オーバー。

毎日栄養バランスを考えて料理を作っているつもりの早苗としては大いにプライドを傷つけられた。

またもや「決定しました!」と宣言すると、一馬にカロリー控えめの食事、そして間食とお酒の厳禁を命じた。

翌日から一馬は昼食代を3百円に減らされ、メニューも携帯メールでチェックされた。

疲れきった一馬が空腹かかえて帰宅すると亮介がいろいろな計測器をそろえて待っていて、一馬はいきなり体重と体脂肪を計測させられると、有無をいわさず「脂肪を燃焼させるには有酸素運動が必要なんです」とエクササイズマシンに乗せられた。

少しでもサボろうとすると、容赦なく早苗の「せっかく買ったんだから、ちゃんとするのよ!」と叱咤の声が飛んでくる。

たまらず一馬が「自分はどうなんだよ」と早苗にも体脂肪を計らせたが、毎日スポーツジムで汗を流しているから標準値。

早苗は勝ち誇ったように「文句言わずにカロリー消費しなさい!」と一馬の尻を叩いた。

一馬は職場でも間食しないように心がけていたが、夜の接待の同席を命じられ、目の
前に並んだのはカロリーの高そうな天ぷら。

一馬はなんとか理由をつけて逃れようとしたが、接待相手ににらまれてビールを一気飲み。

天ぷらも腹いっぱい食べて帰宅したら、パジャマ姿の早苗が「飲んで来たのね」とすごい行草で迎えた。

そして「決定しました!これから毎日飲んでもらいます」と差し出されたのはコーヒーキノコの瓶。

このダイエット効果があるという飲み物、元をたどればスナックの京子ママが出所で、そのまずさは達也も健児も冴子も既に体験済み。

そのウワサは一馬の耳にも届いていたから、早苗が先に寝室へ引き下がると、こっそり流しに捨て、代わりにアイスコーヒーを入れてすり替えた。

これでバレるはずはなかったのだが──。

第五回
一馬は連休に早苗とまどかを連れて温泉へ出かけるつもりでいた。

もちろん旅行決定を発表した早苗が当然旅館も予約してくれているはずと安心していたが、まだ手配していないことが判明。

「今夜うちに入りたければ、ちゃんと予約取ることね」。

一馬は必死に電話をかけまくるが、連休の前日とあってどこも満室。

やっとの思いで一軒見つけたが、あまりのオンボロ旅館ぶりに早苗のカミナリが落ちた。

「私の連休をどうしてくれるのよ!」。

一馬はひたすら謝りながらも、旅先でこき使われることを免れて内心ホッとしていた。

しかし諦めきれない早苗はいつものごとく笑顔で「この連休は我が家が温泉旅館になります」と決定した。

もちろん早苗とまどかにサービスする仲居役は一馬だ。

早速、一馬はスーパーへ買出し。

食材はじめ浴衣や食器まで温泉旅館らしく揃えないと早苗は納得してくれない。

大急ぎで帰宅して、リビングでくつろぐ2人に「いらっしゃいませ」とお茶を出し、温泉の素を入れながら風呂の準備をしていると、早苗が「娯楽室はないの?」と不満顔。

仕方なくダイニングテーブルにネットを張って卓球台代わりにした。

すると今度は遊び疲れたからと、早苗はマッサージを要求。

まさに“温泉地獄”で一馬がヘトヘトになっていると、康子から「おいしいケーキがあるからおいで」と誘いの電話がかかってきた。

「行ってらっしゃい」。

一馬はやっと解放されると思って笑顔で二人を送り出した。

一馬とは対照的に、心はずむ連休を楽しんでいたのは達也と健児。

あゆみと冴子にはそれぞれ休日出勤と偽って、京子ママとその従姉妹とちゃっかりWデートをしていたのだ。

一馬もやっと確保したフリータイムに、近くのゴルフ練習場に来ている同僚の里美に会いに行けると思って喜んだのも束の間、「温泉の夕食と言えばカニよ」と早苗から連絡が入り結局再びスーパーへ。

しかし『カニフェア』でカニは既に売り切れ。

早苗の
カミナリを覚悟して自宅に戻ってくると、家の前に浮かない表情の達也と健児の姿があった。

Wデートしていた事が、亮介のせいであゆみと冴子にバレたというのだ。

そして山崎家では、妻たち3人が揃って今や遅しと夫たちの帰りを待っていた──
第六回
間もなく早苗の誕生日がくる。

どんなプレゼントを要求されるかと、一馬は気が気でない。

毎月のおこづかいから1年計画で貯金して“3万円相当”のプレゼントを買うつもりでいたが、早苗は一方的に「3万円以上よ」と変更。

しかも「今回はあたしが一番喜びそうなものをあなたが探し出すのよ」と決めた。

満足しないプレゼントを選んだら、早苗の怒りがさく裂するのは必至。

仕事も手につかない一馬はまどかを使って、早苗が4万2千円のトリプルリングを欲しがっている情報をつかんだ。

もっとも早苗は一馬の考えなどお見通し。

「妻を喜ばせるために苦労するのが夫の義務よ」。

超人気で品切れ状態のトリプルリングを一馬がどうやって手に入れるか、じっくり楽しもうという魂胆なのだ。

そんなこととは夢にも思わない一馬は早速宝石店を駆けずり回るが、案の定どこも品切れ。

やっと見つけた1個もタッチの差で電話の客に先を越された。

一馬は知らなかったがこの電話の客というのは達也で、スナックの京子ママへのプレゼント用。

結婚記念日が近いというのに妻のあゆみには一緒に買った安いアクセサリーで済ますつもりだ。

ところがあゆみは達也がパソコンでトリプルリングを検索していたのを偶然見てしまい、てっきり自分へのプレゼントと思い込んだ。

そして健児から先月の誕生日にプレゼントをもらいそこねていた冴子にも「ご主人にねだっちゃえば」とけしかけた。

一方、健児からあゆみがトリプルリングを期待していることを知らされた達也は焦った。

片や一馬はトリプルリングの代わりに早苗とまどかに大小ペアのブローチを買った。

可愛らしいデザインだが、早苗は満足してくれそうにない。

一馬は偶然会った京子ママに事情を打ち明けると、なんと達也からもらうトリプルリングを譲ってくれることになった。

早苗の誕生日がきた。

夜のバースデー・パーティーには大沢家と村井家の両カップルも集まることになった。

早苗から遅刻厳禁を言い渡された一馬は「今夜が楽しみだね」と余裕の笑みを浮かべて家を出た。

京子ママから譲ってもらえる予定のトリプルリングで早苗は喜んでくれるはず。

まさかその夜、とんでもないパーティーになるとは一馬は夢にも思っていなかった─。

第七回
株で大儲けしたカリスマ主婦の体験談を聞いた早苗が株式投資に関心を示した。

一馬は一瞬ヒヤリとしたが、先立つ資金がないから計画倒れで終わるとタカをくくっていた。

けれど早苗はいつものごとく「決定しました!」と株式投資を始めると宣言。

元手には康子に借りた10万円と、足りない分は一馬愛用のビデオカメラを質入れして充てるという。

一馬がボウ然としていると、指单役の亮介が現れて株のレクチャーを始めた。

かつて父親が株で大損したのでリベンジを果たすべく、以前から勉強をしていたという。

いつの間にか一馬は熱心に聞き入っていたが、一穫千金のおいしい話は転がっていないようだ。

当の早苗はといえば、肝心のレクチャーも聞かずにまどかと仲良くスヤスヤ。

嬉しそうな寝顔はすでに大儲けして海外旅行に行く夢でも見ているらしい。

早速ネット証券に口座をつくってパソコンに向かった早苗だが、どの銘柄を買えばいいかさっぱり分からない。

そこでまどかに好きに選ばせたらこれが大当たり。

初日にして4万円儲かった。

早苗は冴子とあゆみを誘って祝杯をあげた。

すっかり自信満々の早苗から「あなたの会社も株、あるのよね」と聞かれて、一馬は自社株を千株持っていたことを思い出した。

調べてみると株価は微妙にジリ貧ペースだが、強気になっている早苗は「なんか上がる匂いがする。

私には勝負運があるのよ」と千株も買ってしまった。

一方、あゆみも株式投資を決断。

達也は失敗するものと決め込んでいるから「ドカンと儲けて旦那を見返してやるの」とあゆみは気合十分だ。

選んだのはあのカリスマ主婦の推奨銘柄。

こうなっては一馬もじっとしていられなくなった。

なんとか早苗のハナを明かしてやりたい。

そこで自社株千株を売り払い、代わりにあゆみと同じ銘柄を購入した。

これで早苗を見返すつもりだったのだが──。

第八回
あゆみが駅前のケーキ屋でパートを始めた。

家事はこれまで通りこなすという条件で、しぶる達也を納得させた。

店長からパートの欠員を相談されたあゆみは早苗(観月ありさ)を誘った。

早苗から「とりあえず1週間だけなの」と相談された一馬はやんわりと「やめといたほうがいいよ」と反対した。

家事を全部押しつけられる予感がしたからだ。

一馬から「あゆみさんは家事もやって偉いな」と言われた早苗は主婦のプライドにかけて家事と仕事を両立することを宣言。

まどかを康子に預けて、しかも家事もこれまでどおりこなすと約束して、パートに出ることを決めた。

実はこれは一馬の計算どおりの展開だった。

パート初日、早苗はケーキ製造補助を任された。

なかなかハードな裏方の仕事だが、店長から感謝されたのがうれしくて連日夜9時まで頑張ることにした。

一方、一馬は早苗が用意してくれた料理で夕食を済ませると、まどかを連れてコンビニでお菓子をポリポリ。

家に戻ればまどかを寝かしてつけると、こっそりと水着アイドルのビデオを楽しんだ。

思う存分リラックスしていると、早苗が「あー、疲れた」と帰ってきたので、あわててビデオを隠したが、仕事で疲れている早苗は一馬の行動をチェックする気力もなく寝室に直行。

一馬は早苗の寝顔を見ながら「永遠に続いてほしい」とにんまりした。

鬼嫁がいない気ままな暮らしに上機嫌な一馬は、翌日からもゲームやらビデオやら、ますます好き勝手にやりたい放題。

片や早苗は時間をやりくりして家事も仕事も必死にこなした。

ところが頑張りすぎて高熱を発して、あゆみと冴子に付き添われてパート先から早退してきた。

あゆみから「早苗さんにありがとうって言ったことありますか?」と聞かれた一馬はわが身を振り返って胸が痛んだ。

これまで早苗のことをひどい鬼嫁と憤慨はしても、感謝の気持ちなど持ったことはない。

そしてこの数日間、必死に家事と仕事に頑張っていた苦労をねぎらうこともなかったからだ。

反省した一馬は今度は早苗に代わって、自分が家事と仕事をこなそうと決意した──。

第九回
早苗は、最近の夫婦3組のうち1組が離婚するのは、夫婦間のコミュニケーション不足が一番の原因だと知った。

一馬に毎日さんざん文句を言ってはいるが素晴らしい夫婦関係を築きたい早苗は、いつものように「決定しました!」と宣言。

今後は夫婦間の会話を増やすことを発表した。

まずはお互いの行動を知ることからと、一馬には会社での出来事をあれこれしゃべらせて、片や自分はナンパされた自慢話を聞かせた。

一馬にしてみればいい迷惑だから、つい達也と健児にグチをこぼすと、達也はあゆみのパートについて、健児も育児休暇をめぐって冴子に不満を持っていることが分かった。

そして酔っ払った一馬は帰宅するなり玄関で寝てしまい、しゃべる気満々だった早苗は「これじゃ怒りようもないじゃない」とむくれた。

早苗は「夫婦は行動も一緒に」と休日に久しぶりのデートをしようと持ちかけた。

まどかも連れて歳末売り出し中のショッピングモールへ。

早苗はお気に入りのブラウスを買って、一馬には「こっちにしとけば」と安い靴下を押しつけた。

荷物を持たされて疲れきった一馬がベンチに座ろうとすると伸介とばったり出くわしたが、こちらも康子の荷物持ち。

早苗は1等賞の食器洗い器を狙って福引をしたが全部ハズレ。

帰宅してから
も早苗は「趣味も一緒に」とビデオ鑑賞しようと言い出したが、一馬はなにやら込み入った話があるらしく連絡してきた伸介の待つ駅前の喫茶店に向かった。

やがて2人の前に島村美香と名乗る若い女性が現れると「ただ父親と認めてくれればいいんです」と伸介に迫った。

かつて伸介が浮気した女性との間に生まれたと言い、美香があげた証拠に身に覚えのある伸介は黙ったきり。

伸介の態度に業を煮やした美香は「もう、いいです」と立ち去った。

もし康子に知れたら離婚は間違いないから、一馬は「絶対に秘密にします」と伸介に約束した。

しかし秘密は意外なところからバレた。

亮介とデート中だった由紀がたまたま喫茶店に居合わせていたのだ。

しかも由紀は、美香を一馬の不倫相手で妊娠していると勘違いして亮介に伝え、そして亮介は「実はね」と健児にそのまま知らせてしまった──。

第十回
一馬の職場に新しい部署ができることになり、その課長ポストを目指して一馬は昇進試験にのぞむことになった。

最初は「どうせ俺は無理」と弱気だった一馬だが、里美が忚援してくれ、達也と健児も「家庭内の地位が上がるよ」と励ましてくれたものだから、ガ然やる気がわいてきた。

早苗も「昇進したら尊敬する」と言ってくれたのは満更でもなかったが、聞きかじりしたばかりの山内一豊の妻を引き合いに出して「私の内助の功で、あなたを課長に出世させてみます!」と宣言したものだから、自分の力で昇進して早苗を見返すつもりでいた一馬は、なにやら不安になってきた。

昇進試験は筆記テストと部長面接を合格しなければ,最終面接に進めない。

一馬が屋台で伸介と飲んでいると、早苗から「試験勉強する約束でしょ」と早く帰れコールがかかってきた。

一馬が帰宅するや、早苗はへそくりで買い込んだ問題集を矢つぎ早に出題し、模擬面接ではまどかまでが一馬に質問を浴びせかけた。

早苗から「試験当日まで毎晩特訓よ」と厳命されてウンザリした一馬だったが、その甲斐あってか見事一次試験を突破した。

浮かれ気分の一馬とは対照的に、早苗は最終面接で一番発言力を持つのが増田常務であることを知ると、手抜かりなく社内報のインタビューから身辺情報を集めた。

美人の奥さんは理想的な良妻賢母らしく、常務は家族を大切にしない人間はいい仕事もできないと発言していた。

そこで早苗は常務を家に招いて「家族を大切にしているところを見てもらうのよ」と提案したが、一馬は「重役が一社員の家に来るわけないだろ」
と一笑に付した。

ところが早苗は常務に大好物のお好み焼きをごちそうしたいので招待すると手紙を出したところ、常務は「うかがっていいかな」とその気になってしまった。

早苗のことを「うちの家内そっくりだな」と誤解している常務が、その鬼嫁ぶりの実態を目の当たりにしたら昇進などふっ飛んでしまうのは間違いない。

しかし一馬が手をこまねいている間に、とうとう約束の日曜日、常務が山崎家にやって来た──。

第十一回
クリスマスを間近に控えて村井と大沢の両夫婦がそろってケンカをしてしまい、健児は達也の村井家へ、あゆみは冴子の大沢家へ転がり込んで、それぞれのパートナーへのうっ憤をぶちまけた。

早苗は「このままじゃ可哀相」と両夫婦の仲直り作戦を決めて、一馬にも協力を求めた。

前倒しでクリスマスのホームパーティーを開いて、早苗と一馬がお芝居でケンカをすれば、みんなが慌てて仲裁してくれるうちに自分たちのケンカを忘れてしまうだろうという筋書きだ。

由紀との交際をオープンにした亮介の発案だったが、いざ山崎家のリビングに全員がそろってみると、直前に一馬が計画を達也たちに口をすべらせていたので、思惑の外れた早苗は「何やらしてもダメなんだから」と怒った。

しかもいつもなら引き下がる一馬が「もう鬼嫁の言いなりはごめんだよ」と言い返したばっかりに、早苗は「一生帰って来ないかも」と言い捨てると、まどかを連れて実家へ帰ってしまった。

康子と伸介から説得された早苗は翌朝、様子をうかがいに戻るが、一馬が「1人は快適でいいなあ」と強がってみせたものだから、早苗も心にもないのに「じゃあ離婚する?」と口走ってしまう。

実は一馬は早苗に対して後ろめたい秘密を抱えていた。

里美からイブを一緒に付き合ってほしいと誘われて、今年はホームパーティーをすでに終えたから、戸惑いつつも「いいよ」と返事していたのだ。

一緒に食事するだけだが、たとえケンカの最中とはいえ一馬の中では家族に対するやましい気分がくすぶっていた。

しかも早苗に里美との電話のやり取りを聞かれてしまった。

一方、村井と大沢の両夫婦は早苗と一馬がマジでケンカになってしまったおかげで、結果的に仲直りしてしまったが、早苗や「家族みんなでクリスマスできたらいいなあ」と寂しそうなまどかを見ていられない。

そこであゆみが明日のイブにもう一度山崎家でクリスマスパーティーを開いて、今度は一馬と早苗を仲直りさせようと提案した。

しかしイブの夜、3夫婦の5人はそろったが、そこに一馬の姿はなかった──。

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