一公升的眼泪03的日文剧本

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『病気はどうして私を選んだの』

「ねぇお母さん、私の病気ってなーに?」

亜也(沢尻エリカ)に質問された潮香(薬師丸ひろ子)は平静を装い笑顔で答える。「言ったでしょ。思春期特有のものだって。

自律神経のバランスが少し崩れてるって。」

「良くなるのかな。」

「なるなる!」

「治るんだよね。」

「何言ってるのよ。心配ないって!

大丈夫大丈夫!」

バスケの練習中、不安を母の言葉で消そうとする亜也。

先輩に、ぼーっとするなと叱られてしまった。

「亜也にはまだ言わない方がいいと思う。

病気のこと知らせるの、まだ先にしたい。

だって、高校一年生なんて、毎日がキラキラ輝いていて、

人生で一番いい時じゃない。

今はまだ、周りの皆と同じ高校生活を、思いっきり楽しませてあげたい。」

「うっとうしいぐらい、明るくいような。

笑って、冗談かましてバカ言って、あいつの一番いい時期が、

もっと楽しくなるようにね。」

潮香と瑞生(陣内孝則)はそう決心を固めた。

合唱コンクールまであと3週間。

亜也や遥斗(錦戸亮)たち1年A組の面々は『3月9日』の練習に余念がない。

同じころ、潮香は、常南大学医学付属病院の神経内科診察室を訪れていた。

「だんだん、歩けなくなるとか、寝たきりになるとか、治らないとか、そう言う言葉は、亜紀にはまだ言わないでやってほしいんです。」

亜也の主治医・水野(藤木直人)にそう願う潮香。

「いつまでも隠しとおせるものではありません。」

「それでも、もう少し、もう少しだけ、あの子に希望を持たせてやりたいんです。」「その場しのぎの希望を持たせて何になります?

亜也さんの体の機能は今後ますます、

「わかってます。そんなことわかってます。

でも・・・あの子まだ、15才なんです。」

「充分自分の生き方を考えられる年です。

亜也さんの人生に関わる大切なことです。」

「とにかく、お願いします。

今はまだ、告知はしないで下さい。」

潮香はそう頼み込んだ。

放課後、亜也は遥斗に歌詞を覚えてくるようMDを渡す。

「了解しました。学級委員さん。」

遥斗はそう言いMDプレーヤーに差し込む。

そこへ富田圭子(葵)がやって来た。

「遥斗、まだMD使ってんの?私もうiPod買っちゃったよ。」

「物と女の子は、末永く大事にする男なんです。」

遥斗はそう言い帰っていった。圭子が遥斗の後を追う。

楽譜がぼやけ、目を擦る亜也。その時亜也の手から楽譜がするりと抜け落ちる。「あれ・・・。」

池内家の食卓。

亜也の妹・亜湖(成海璃子)は、デパートに買い物に連れていってほしいと両親にせがむ。

「今度マミと買い物に行く時用の、バックとスカートが欲しいの。

あ、それと、美術で使う絵の具のセット。色いっぱい入ってるやつね!」「亜湖お姉ちゃんお絵かき上手だもんねー。」妹の理加(三好杏依)が言う。「うん、ありがとうー!」

瑞生は、今あるもので充分だ、と言うと、可愛く頼む亜湖。

「だめですっぴょん!

日曜日は予定でいっぱいなの!

俺はな、お前の買い物に付き合えるような暇な男じゃないんです!」

いつもの調子で明るく振舞う瑞生。

食事が終わったらガンモの散歩に行こうと潮香は子供達に言う。

「運動不足の解消に、みんなでウォーキングでも行くか!」

「お父さんと一緒にウォーキングだなんて、死んでも友達に

見られたくない!」

瑞生はそう言う亜湖のおでこにデコピンした。

潮香は亜也に、今後散歩に行く時は自分か瑞生を誘うように言う。

「痴漢にあったら大変だしな。

亜湖は、痴漢にあっても向こうが逃げるだろうけど。」

そう言い笑い飛ばす瑞生。

亜湖はふてくされ二階へ上がっていった。

ウォーキング、リハビリとして、提案したんですね。

いつもと同じように振舞う両親ですが、亜也はいつもと違うと

感じているようです。

子犬のがんもの愛らしさ!ガンモはがんもを食べるのかな。

あくる日、部活を終えた亜也は、先輩の祐二(松山ケンイチ)に誘われ、

一緒にスポーツショップに行く。

そこで、祐二からお揃いの靴紐をプレゼントされた亜也の顔から笑顔がこぼれた。

ふたりは、ファーストフード店に立ち寄った後、一緒に帰った。

「ありがとうございました、これ。」

「ほんと?良かった。ぼーっとしてたから、疲れてるのかな、と思って。」

「あの・・・緊張しちゃって。

こうやって先輩と二人でどっか出かけるの、初めてじゃないですか。」

「そっか。じゃ、これって、記念すべき初デートだな。」

亜也が恥ずかしそうに笑う。

「なんつって。」祐二も照れ笑い。

その時、道の向こう側から子供達が走ってきた。

亜也は子どもを避けようとするが、体が動かず、ぶつかってしまう。

『時々、自分の体が自分のものじゃないように感じる。

私いったいどうなっちゃうんだろう。』

いつものようにノートを付けていると、なぜか字が上手く書けない。

亜也は不安そうに自分の手を見つめた。

別の日、とある寺では、遥斗の兄・圭輔(佐藤祐基)の一周忌の法要が行われる。子どもたちの自慢話をする親戚たち。

東大の医学部に通う親戚は、「文系に行きたかったが偏差値で医学部に行けと

教師に言われた。」と笑っている。

「バカなんですね。

成績いいっていう理由だけで医者になろうとするのって、

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