中世文学

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『十訓抄』
六波羅二葛佐衛門が編纂。
教訓的傾向が強い。
鎌倉初期の人々のものの考え方をよく反映した。
『古今著聞集』
20巻。30の主題・726の説話。1254年、橘成季が編んだ。
編集の行き届いた・全体的に貴族的色彩が濃厚である。
3、そのほか
平康頼の『宝物集』、鴨長明の『発心集』、慶政の『閑居友』、住信の『私聚百因縁集』、西行の『撰集抄』、無住の『沙石集』・『雑談集』、玄棟の『三国伝記』、安居院(あぐい)の『神道集』
4、歌論・歌学
俊成の『古来風体抄』(和歌史論)、定家の『近代秀歌』・『詠歌大概』・『毎月抄』(新古典主義的方法論)・『小倉百人一首』(歌学論)、鴨長明の『無名抄』、正徹の『正徹物語』(歌話、歌人の逸話も含む)。
5、連歌
①発展
倭建命と御火焼の翁の唱和(古事記・日本書紀)
尼と大伴家持の唱和(万葉巻8)
『金葉集』に連歌の部が設けられる
短歌を上の句と下の句に分け、二人で詠みあい(短連歌)、連ねていくものは長連歌・鎖連歌ともいう(連歌の独立)。
②特徴
連歌師・連歌会
地下連歌・堂上連歌
無心連歌(滑稽諧謔、俳諧の連歌)・有心連歌(二条良基)
集団創作・即興の傾向
③代表作
『菟玖波集』 最初の連歌集。20巻。1356~1357年成立、二条良基+救済(ぐさい)の編纂。
増鏡:17巻。南北時代成立。後鳥羽天皇の時代~後醍醐天皇の建武の親政。よくこなれた擬古文。
鏡物
三、説話
1、分類:一般説話集、貴族説話集、仏教説話集
2、代表作
『宇治拾遺物語』
15巻。200余編。編者未詳。鎌倉初期の成立か。
雑纂形式。語り口はよくこなれている。内容はさまざまである。
『今昔物語集』とともに、説話文学の代表的な作品。
源為朝が英雄として生き生きと描かれている。
『平治物語』
三巻。鎌倉初期に成立。1159年12月の平治の乱を描いた。
悪源太義平(源義朝の嫡男)の悲劇、義朝の死、常盤御前の母性愛などが語られた。
『平家物語』
12巻+灌頂巻。13世紀前半成立。信濃前司行長が作者か(『徒然草』226段の記録)
平家の台頭・栄華~清盛の横暴~源氏の蜂起~日本各地における戦いなど
『新撰菟玖波集』20巻。1495年、一条冬良・宗祇(そうぎ)・兼載(けんさい)などの撰。
『水無瀬三吟百韻』 代表的な百韻の長連歌。1488年、宗祇+弟子の肖柏(しょうはく)・宗長(そうちょう)、水無瀬神宮に奉納したもの。
『湯山三吟百韻』
『新撰犬筑波集』380句あまり、山崎の宗鑑(そうかん)の撰。
『竹馬狂吟集』230句あまり、1499年成立。現実を痛烈に暴露し、卑俗な面をあからさまに表現する傾向が著しい。俳諧の連歌の集。
四、日記
阿仏尼『十六夜日記』
御深草院二条の『とはずかたり』(日記と紀行)
『たまきはる』、『弁内侍日記』、『中務内侍日記』、『竹向が記』(女房)
『建礼門院右京大夫集』(日記的家集)
五、紀行
京都と鎌倉を往復する人々の旅日記
『海道記』
『東関紀行』
六、随筆
1、特徴
隠者文学の中心
隠者の生活の合間に人生や信仰についての思いを吐露した。
記紀、平安の『将門記』・『陸奥話記』
合戦に実際に参加した武士の思い出話+見聞きした人の記録+琵琶法師の芸能と結びついて語られる。
成立年代や特定の作者を求めるのが困難。異本が多い。
②代表作
『保元物語』
三巻。鎌倉初期に成立。1156年7月の保元の乱の顛末を語った。
保元の乱――実質上の「武者の世」・中世の始まりを意味する重大な内乱。
中古の『枕草子』とともに随筆文学の白眉とされる。
③体言止め、本歌取りなどの技巧が工夫された。初区切れ・三句切れが多い。
④唯美的な思想は後の歌人たちの理想となった。
2、十三代集
①玉葉集20巻。約2800首。1313年、京極為兼撰進。
②風雅集20巻。約2200首。1348年、光厳上皇が親撰。
京極派。清新な歌風
3、私家集
西行の『山家集』、藤原定家の『拾遺愚草』・『明月記』(日記)、源実朝の『金槐和歌集』(一巻、1213年成立、663首、格調高い万葉風の叙景歌が多い)。
中世初頭の関東武士の社会を活写している。
『義経記』
8巻。現存本は室町時代成立か。九郎判官と呼ばれる源義経の一代記。
2、歴史物語
①史論
歴史を評論した形式の著述。
慈円の『愚管抄』
北畠親房の『神皇正統記』
政治上の危機的な状況における警世の書、強い論調、歴史事件についての具体的叙述。
②代表作
水鏡:3巻。中世初頭成立。神代以降から『大鏡』以前の歴史。
典型的な和漢混交文、対句的表現が多く、流麗である。
平曲&読み物、異本が極めて多い。
『承久記』
二巻。1221年の承久の乱の顛末を記した。
後鳥羽院に対して批判的。
『太平記』
40巻。作者は小島法師か、恵鎮・玄恵だろう。
1331年の元弘の乱から南北合一までの南北動乱を描いた。
記録的要素が多い。
『曽我物語』
12巻。曽我兄弟の仇討ちを主題とする。
『守武千句』1540年、荒木田守武が大神宮に奉納した独吟の千句。より穏和
④連歌論
二条良基の『連理秘抄』・『筑波問答』、心敬の『ささめごと』・『ひとりごと』・『老のくりごと』、宗祇の『吾妻問答』・『老のすさみ』、紹巴『連歌至宝抄』
6、漢詩文
①前期:藤原兼実の日記『玉葉』、定家の日記『明月記』、漢文日記・史書の『吾妻鏡』など
中世文学
一、詩歌文学
1、新古今和歌集
成立:後鳥羽院の院宣で、源通具・藤原有家・定家・家隆・雅経・寂蓮の六人によって、1205年に成立した、第八番目の勅撰和歌集。
構成:20巻、短歌約2千首、真名・仮名の両序が付けられている。
特徴:
①「古今集」より叙情性を持っている。
②余情と深遠さを尊び、寂しさと優艶な情趣を漂う歌が多い。
②早歌・宴曲:物尽くし的な興味で特定の主題に沿った美辞麗句を連ねた。
③小唄:庶民の哀歓を生き生きと歌っている。『閑吟集』(1518年、隠者が集めた)、『宗安小唄集』、高三隆達の『隆達小唄集』
④田唄:農民が稲の豊作を予祝するために行う田植えの神事で歌われた。『田植草紙』
二、物語
1、軍記物語
①発展と特徴:
2、代表作
①『方丈記』
1巻。121来自百度文库年に成立。鴨長明の作。
慶滋保胤(よししげのやすたね)の『池亭記』の影響
論説的
無常観の表白
格調高い和漢混交文、仏教用語
②『徒然草』
2巻。243段。1330に成立。吉田兼好の作(兼好法師)
全編無常観に貫かれており、人生のあらゆる事象に興味を示し、思想的な深みを持ち、極めて複合した性格を有する。
②後期:五山文学――鎌倉後期から、南北朝・室町時代にかけて、京都の五山に漢詩文に巧みな僧侶が輩出し、おびただしい漢詩文が書かれた。
③五山文学の代表
虎関師錬の『済北集』
中厳円月の『東海一漚集』
義堂周信の『空華集』
絶海中津の『蕉堅藳』
④そのほか
一休宗純の『自戒集』・『狂雲集』
7、歌謡
①和讃:仏教信仰を今様形式で表白した。日本語で仏教を讃美する。
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