文化财建造物に使用されている大径长大材
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文化財建造物に使用されている大径長大材
東京大学大学院工学系研究科建築学専攻
藤井研究室修士課程 海野 聡1.大径長大材の定義
国が指定した文化財建造物において大径材または長大材の使われている位置、材種、数量、寸法および体積などを調査した。大径材は直径1.5尺(45cm)以上、長大材は長さ20尺(6m)以上のものとし、大径材でありなおかつ長大材でもあるものは大径長大材と前回と同様に定義した。特に国宝・重要文化財に指定されている建造物のうち、修理工事報告書が刊行されているもの、もしくは文化庁所蔵保存図が存在するものを対象とした。なお、奈良時代以前については前回の調査を参考にしていただきたい。1
調査の対象は伊藤延男先生と協議のうえ、平安・鎌倉時代の堂、塔、校倉、門、鐘楼、近世については後述の三間梁規制2から寺院は省き、城郭、門、民家とした。
調査の担当は鎌倉時代以前の木造建造物の調査は湯本直子が行い、以降の木造建造物は海野聡が行った。なお時間などの制約上、大径材または長大材を有するすべての建物を取上げることはできなかったが、大勢を知るには十分であると考えられる。
2.平安・鎌倉時代の木造建造物(担当湯本)
平安時代・鎌倉時代の木造建造物は、修理工事報告書が発行されている国指定文化財建造物の中から、代表的なものを選んだ。堂、塔、校倉、門、鐘楼を合わせ全部で20棟扱っている。平安時代については、奈良時代の部分で法隆寺大講堂と綱封蔵を取上げたので、それと合わせて御覧になっていただきたい。
なお上記のうち今回、文化庁所蔵図面を持参して、2006年2月25日に東大寺南大門、26日に長弓寺本堂、霊山寺本堂、27日に秋篠寺本堂、大報恩寺本堂に赴き、部材の位置や寸法を調査し、そのデータを使用した。
これらの建造物の中で大径材を用いることが多い部材は、柱、大斗、虹梁、板類(床板、扉板)である。長大材を用いることが多い部材は、大引、貫類(足固貫、飛貫、頭貫など)、台輪、虹梁、通肘木、桁、丸桁、隅木、長押類(切目長押、内法長押など)である。この中で虹梁は大径長大材であることが多く、また柱も大きな建造物においては大径長大材となることがある。なお小屋組より上の部材は、後世の修理で大きく改造されていることが多いので、今回は基本的に調査対象からはずした。
1湯本直子「奈良時代以前の堂・塔・校倉に用いられている大径長大材」(研究代表者山本博一『木造建造物文化財の修理用資材確保に関する研究』平成14~16年度科学研究費補助金研究成果報告書、平成17年3月、所収)。
2寺院の梁間規制に関しては光井渉『近世寺社境内とその建築』2001年p121~177中央公論美術出版(初出は「寺院建築に対する梁間の規制について 寛文八年の梁間規制とその運用状況」『建築史学』第22号p64~951994)および、金行信輔「寺社建築に対する江戸幕府の規制法令について--<寛文八年令>の再検討」『建築史学』第33号p144~150 1999年(初出は『江戸の都市政策と建築に関する研究』 1998年度東京大学学位論文)1999年p62~65私家版)よって指摘されている。
図1
参照文献
1.奈良県教育委員会事務局奈良県文化財保存事務所『重要文化財東大寺勧進所経庫修理工事事務所』昭和58年3月。
2.奈良県教育委員会事務局奈良県文化財保存事務所『重要文化財東大寺法華堂経庫修理工事事務所』昭和39年8月。
3.京都府教育庁文化財保護課 国宝醍醐寺五重塔修理事務所『国宝建造物醍醐寺五重塔修理工事報告書』昭和35年5月。
4.京都府教育庁文化財保護課 国宝平等院鳳凰堂修理事務所『国宝平等院鳳凰堂修理工事報告書』昭和32年3月。
5.奈良県教育委員会事務局奈良県文化財保存事務所『国宝当麻寺本堂修理工事報告書』昭和35年10月。6.京都府教育庁文化財保護課『重要文化財教王護国寺宝蔵・大師堂修理工事報告書』昭和30年12月。7.国宝浄土寺浄土堂修理委員会『国宝浄土寺浄土堂修理工事報告書』昭和34年。
8.奈良県庁内東大寺南大門修理工事事務所『東大寺南大門史及昭和修理要録』昭和5年4月(『戦前期国宝・重要文化財建造物修理工事報告書集成第0-B巻』文生書院、平成17年1月)。
9.奈良県教育委員会事務局奈良県文化財保存事務所『国宝東大寺鐘楼修理工事報告書』昭和42年3月。10.京都府教育庁文化財保護課 国宝大報恩寺修理事務所『国宝大報恩寺修理工事報告書』昭和29年10月。
11.奈良県教育委員会文化財保存課『元興寺極楽坊本堂、禅室及び東門修理工事報告書』昭和32年3月。12.奈良県教育委員会事務局奈良県文化財保存事務所『国宝秋篠寺本堂修理工事報告書』昭和32年。13.滋賀県犬上郡東甲良村池寺 西明寺境内滋賀県国宝建造物修理出張所『国宝西明寺本堂及塔婆修理工事報告書』昭和14年2月。滋賀県教育委員会『国宝西明寺本堂他1棟修理工事報告書』昭和57年12月。
14.文化庁所蔵図面 長弓寺本堂。
15.文化庁所蔵図面 霊山寺本堂。
16.国宝太山寺本堂修理工事委員会『国宝太山寺本堂修理工事報告書』昭和39年1月。
17.国宝大善寺本堂修理委員会『国宝大善寺本堂修理工事報告書』昭和31年1月。
18.南明寺国宝建造物本堂修理事務所『南明寺国宝建造物本堂修理工事報告書』奈良県教育委員会、昭和12年12月。
19.愛媛県重要文化財太山寺本堂修理委員会『重要文化財太山寺本堂修理工事報告書』昭和31年3月。20.文化財建造物保存技術協会『国宝並びに重要文化財浄土寺本堂、多宝塔、山門修理工事報告書』国宝浄土寺修理委員会、昭和48年6月。
3.城郭・門(担当海野)
国指定重要文化財のなかで修理工事報告書が刊行された近世以降の木造建造物を中心に調査した。近世の社寺建築には後述の民家と同様に3間梁の規制が存在するため、調査の対象からはずし、城郭における野物の大径材や通柱おいて長大材、大径長大材の用いられる門、民家の長大材を対象とした。なお、1尺=1/3.3m(≒0.303m)とした。
城郭については建物の大きさに対して報告書に記載されている情報が少なく、詳細部分に関して報告書から得られる情報では十分とは言えなかった。天守や櫓において野物の小屋梁や床梁に多く長大材や大径材が見受けられた。柱については通柱であるかについての記述が非常に少なく、また図面からの判断が難しいものが多かったが、中央部の身舎柱や入側柱に通柱として長大材が用いられていることがわかった。
図2