日汉对照世界经典童话14人鱼姫

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人魚姫

深(ふか)い深い海の底(そこ)に、珊瑚(さんご)の壁と琥珀(こはく)の窓のお城(しろ)があります。

そのお城あ、人魚の王さまのお城です。

王さまには六人の姫がいて、その中でも、とりわけ一番末(すえ)の姫はきれいでした。

肌(はだ)はバラの花ビラのように透き通り、目はう深い海のように青く澄(す)んでいま。

人魚たちの世界では、十五歳になると海の上の人間の世界を見に行くことを許(ゆる)されていました。

末つ子の姫は、お姉さんたちが見てきた人間の世界の様子(ようす)を、いつも胸ときめかして聞いています。

「ああ、早く十五歳になって、人間の世界を見てみたいわ」。

そうするうちに、一番末の姫もついに十五歳を迎え、晴れて海の上に出る日が来ました。

喜(よろこ)んだ姫が上へ上へとぽっていくと、最初に目に入ったのは大きな船でした。

とりわけ特别、尤其、格外

透き通る(すきとおる)透明、清澈、

ときめかす心跳

船の中はパーテイーをしていて、にぎやかな音楽が流(なが)れるなか、美しく着飾(きかざ)った人たちがダンスをしています。

その中に、ひときわ目を引く美しい少年がいました。

それはパーテイーの主役(しゅやく)の王子です。

そのパーテイーは、王子の誕生パーテイーだったのです。

「すてきな王子さま」。

人魚姫は夜になっても、波(なみ)の間(あいだ)からうっとり王子の様子を見つめていました。

と、突然、海の景色が変わりました。

稲光(いなびかり)が走ると、風が吹き波(なみ)がうねり始めたのです。

水夫(すいふ)たちが慌(あわ)てて帆(ほ)を畳(たた)みますが、嵐(あらし)はますます激(はげ)しくなると、船は見る間に横倒(よこだお)しになってしまいました。

人々が海に放(ほう)り出(だ)されます。

「大変!王子さまー!」

人魚姫は大急(おおいそ)ぎで王子の姿(すがた)を探(さが)し出すと、ぐったりしている王子の体(からだ)を抱(だ)いて、浜辺へと運びました。

「王子さま、しっかりして。王子さま。」

人魚姫は王子さまを懸命(けんめい)に看病(かんびょう)しました。

気がつくと、朝になっていました。

そこへ、若(わかい)い娘が走ってきます。

「あっ、いけない。」

ひときわ格外

目を引く(めをひく)吸引注意力

うねる起伏、翻腾

畳む叠、折

見る間に(みるあに)眼看着

人魚姫はビックリして海に身(み)を隠(かく)しました。

すると、娘は王子に気がついて、慌(あわ)てて人を呼びます。

王子はその時、息(いき)を吹き返しました。

「あ、ありがとう。あなたがわたしを助けてくれたんですね。」

王子はそして目の前にいる娘を、命(いのち)の恩人(おんじん)と勘ちがいしてしまいました。

人魚姫はションバリして城に帰ってきましたが、どうしても王子のことが忘れられません。

そこで、魔女(まじょ)の所(ところ)へ出掛ると、人間の女にしくれるよう頼(たの)みました。

魔女は願いを聞くと、こう答えました。

「わたしの力(ちがら)を持ってすれば、人魚のしっぽを人間のような足に変えることはできるよ。

でも、そのかわりに足は歩くたびにナイフを踏(ふ)むように痛むよ。

それと、もしお前が王子と結婚できなかったら二度と人魚には戻れない。

いや、それどころか心臓(しんぞう)が破れて、海の泡(あわ)になっちまうんだ。それでもいいね。」

「いいわ。王子さまと一緒にいられるのなら。」

「それから、願いをかなえる褒美(ほうび)に、おまえの声をもらうよ。おまえのこえは、海の世界で一番美しいと評判(ひょうばん)だからね。」

「いいわ。」

吹き返す(ふきかえす)恢复呼吸、苏醒

しょんばり孤零零;垂头丧气、无精打采

かなえる满足……的愿望

そして人魚姫は、口のきけない身となって人間の世界へ戻り、王子の城を訪(だす)ねました。

王子は人魚姫を一目(ひとめ)見て気に入り、妹のようにかわいがりました。

しかし王子の心(こころ)は、命の恩人と思い込(こ)んでいる、あの浜辺(はまべ)で会った娘に奪われていたのです。

やがて王子と娘は、結婚式を挙(あ)げることになりました。

二人は船に乗り込むと、新婚旅行に向かいます。

王子と結婚できなかった姫は、次の日の朝、海の泡になってしまうのです。

しかし、人魚姫はどうすることもできません。

ただ、船の手すりにもたれているばかありでした。

その時、波の上にお姉さんたちが姿(すがた)を見せました。

「魔女から、あなたのためにナイフをもらってきたわ。これで王子の心臓を刺(さ)しなさい。そしてその血(ち)を足に塗(ぬ)るです。

そうすれば、あなたは人魚に戻れるのよ。」

人魚姫はナイフを受け取ると、王子の眠(ねむ)る寝室(しんしつ)へと入っていきました。

「王子さま、さようなら、私は人魚に戻ります。」

人魚姫は王子の額(ひたい)にお別れのキスをすると、ナイフを一息に突き立てようとしました。

奪う(うばう)夺

もたれる倚靠

一息(ひといき)喘口气;一口气;一把劲

突き立てる(つきたてる)插上、扎上

でも、人魚姫には、愛する王子を殺(ころ)すことができません。

人魚姫はナイフを投げ捨て(なけすて)ると、海に身を投げました。

波(なみ)に揉(も)まれながら人魚姫は、だんだんと自分の体が溶(と)けて、泡(あわ)になってくのがわかりました。

その時、海からのぼったお日さまの光の中を、透き通つた美しいものが漂(ただよ)っているのが見えました。

人魚姫も自分が空気(くうき)のように軽くなり、空中(くうちゅう)にのぼっていくのに気づきました。

「私はどこに行くのかしら。」

すると、透き通った声が答えます。

「ようこそ、空気の精の世界へ。あなたは空気の精になって、世界中(じゅう)の恋人(こいびと)たちを見守(まも)るのですよ。」

人魚姫は自分の目から、涙(なみだ)が一滴(ひとしずく)落(お)ちるのを感じながら、風とともに雲の上へとのぼっていきました。

-END-

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