日文剧本8
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『行かないで』
練習帰りにいつもの公園を訪れた直輝(山下智久)は、
誕生日を迎えた莉子(北川景子)に電話する。
莉子は、誕生日のお祝いにボールをドリブルする音を
聴かせてほしい、と直輝に頼んだ。
その音で、直輝が隣りの公園にいることに気づいた莉子は、
窓を開けると、もうキスをしたりしないから会わないなんて
言わないでほしい、と叫んだ。
その言葉を聞いた直輝は、莉子の部屋に駆けあがると、
彼女を強く抱きしめてキスをする。
土足のまま部屋に入り、莉子をお姫様抱っこする直輝。
「ごめん。
俺白河さんのこと好きになった。
」
「私も。
私も好き。
もう離れたくない。
」
二人はぎゅっと抱きしめあい・・そして又キスを交わす。
「ん・・・聞こえる!」
「うん?」
「麻衣の足音が聞こえる!」
「え・・まずい!」
「上がってきてる!
マズイ!帰ってきた!」莉子は直輝を自分の部屋に押し込め、麻衣(貫地谷しほり)と秀治(溝端淳平)を出迎える。
3人は宴会の続きに突入!
莉子の部屋に隠れた直輝は、部屋の窓から顔を出し、
いつもの公園を感慨深げに眺める。
麻衣に豊富を聞かれた莉子は、戸惑いながらも
「私は・・夢をあきらめない事、かな。
私が立派なバイオリニストになるなんて、
本当夢みたいな事だと思うけど・・
でもそれでも、諦めないで、一歩ずつ夢に近づいていけたら
いいなって、思う。
」と答える。
そんな莉子の話を直輝は微笑みを浮かべて聞いていた。
「夢追ってこう!」
「乾杯!」
盛り上がる3人。
莉子の部屋に隠れる直輝は、莉子のバイオリンケースに
直輝のキーホルダーが付いていることに気付き、
照れくさそうに笑みを浮かべた。
早朝、莉子は、麻衣たちが眠りについているのを確認して部屋に戻る。
すでに直輝も、莉子のベッドで眠っていた。
その横にしゃがみ、直輝の寝顔を幸せそうに見つめる莉子。
そんな莉子を、直輝はふいに引き寄せる。
「・・・莉子。
」
「・・・」
「とか呼んでみた。
」
「じゃあ・・直輝。
」
「・・・」
「とか呼んでみた。
」
微笑みあう二人。
そして直輝は莉子の背中から抱きしめる。
「なんだろう。
とても不思議な感覚だ。
ドリブルするボールが手に吸い付くような、
引き寄せられるような・・やわらかい安心感。
それが気持ちよくて・・
俺は、1ミリも隙間がなくなるくらい、
彼女を強く抱きしめた。
」
恋の始まり。
二人の表情からドキドキが伝わってきます。
これぞラブストーリー!
麻衣と直輝は、麻衣たちが朝食を買い出しに行った隙に、
部屋から抜け出す。
散らかった部屋を見渡す直輝。
「俺、これ片付けなくていい?」
「ああ、いいいい!そんなことしなくって。
でも、この間のフレンチトースト食べたかったなー。
」
「作ろうか?」
「うん・・麻衣たち帰ってきちゃうし、材料ないし。
この間のやつね、麻衣が全部食べちゃったの。
」
「マジで?」
「うん。
あ、そうだ!
ねえこれ見て。
これが言ってたマグカップ。
かわいいでしょ?」「うん。
かわいい。
」
プレゼントの箱に気付く直輝。
「・・・川崎さんから。
」と莉子。
「・・・」
「でも、川崎さんに言った。
好きな人がいるって。
」
「・・・」
「それも・・返そうと思ったんだけど、川崎さん、アメリカに行っちゃって。
」「俺も、川崎さん帰ってきたら、ちゃんと言うよ。
莉子と付き合いたいって。
」
「・・・」
抱きしめあう二人。
「だから、それまでけじめっていうか・・
あまり近づき過ぎないようにしよう。
」
「うん。
」
「周りにも、気づかれない方がいいと思うし。
」
「じゃあ、どうしたらいいの?」
「今までどおり、電話とか、公園で会うとか。
」
「うん。
わかった。
」
「心配?」
「ううん。
幸せすぎて・・どうしていいかわかんない。
」
二人は又抱きしめあい・・。
買物帰り、手を繋いで歩く麻衣と秀治。
「でも、本当に僕でいいんですか?」
「いいのかなー。
」
「え・・」
「だってほら、私の理想の男性像とはかなり違うでしょ?
すごーく頼りないし、一生音楽続けさせてくれそうな収入も
明らかにないし。
」
「はい。
仰るとおりです。
」
「いいのかなー、本当に。
あ、あれ・・。
」
二人は公園に直輝の姿を見つける。
直輝は昨晩から置きっぱなしのバスケットボールを片付けていた。
莉子が部屋の窓から手を振り、直輝も手を振り返す。
「あ・・又メアド聞くの忘れた。
」
直輝がふとそう呟く。
莉子は微笑みながら部屋の奥へ。
そして五線譜にアドレスを書き込み、紙飛行機にして直輝へと飛ばす。
「耳良すぎ!」
直輝の言葉に笑う莉子。
「ありがとう!」
二人は敬礼し・・そして直輝は帰っていく。
その光景を目撃していた麻衣と秀治は、大騒ぎだった。
会社
勤務時間中に、菜月(相武紗季)は、後輩のしおん(小松彩夏)の
携帯電話が鳴る。
「金沢さん!電話鳴ってる!
・・ったく、勤務中はマナーモードにしろっていうの!」
菜月は不機嫌そうに呟いたあと、着信の表示を見てしまう。
廉(金子ノブアキ)からだった。
「・・・すみません。
」
しおんに謝られ、余裕の笑みを浮かべる菜月。
「今のすいませんって・・どういう意味?」
「・・・」
「どういう意味で、私に謝ってるの?」
「でも、私悪い事したと思ってませんから。
だって、菜月先輩だって上矢さんいるのに代々木さんと
付き合ったじゃないですか。
だから私、菜月先輩には悪いなんて全然思いません。
」
「あっそう。
」
平然と立ち去る菜月。
一人になると、
「ふーーん。
なるほどね。
」
と呟いた。
バスケチームのロッカールーム
直輝の足をチェックするトレーナー。
「痛い?」
「大丈夫です。
昨日から足の痛みも少なくなってきて。
」
「もしかしたら、、足首の動きが改善されたのかもね。
でもまあ、間接内剥離なだけに、いつ症状出るか
わからないからな。
本当に手術受けなくていいの?」
「はい。
あと、チームのみんなには言わないでもらっていいですか?」
「まあ確かに今は弱み見せたくない時期だろうけど・・」
「変に心配掛けたくないし。
」
「わかった。
コーチにだけはちゃんと言えよ。
」
「はい。
」
直輝は、関節内剥離の痛みも治まり、いままで以上に練習に没頭する。
コーチたちも直輝の変化に注目し始める。
莉子からメールアドレスを教えてもらった直輝は、
さっそくその喜びを報告する。
『初メール莉子へ
今日、少しいいことがありました
莉子と会えたおかげかな・・・とか、
ちょっと思ったりする
莉子といると元気になる♪
よし今日も張り切ってバスケしてきます
直輝』
「へー。
絵文字とか使い人なんだー。
」
莉子は嬉しそうにメールを保護する。
「なに?今朝できた彼氏からのメールとか?」と麻衣。
「違うよ。
私と上矢君はまだ、彼氏とか彼女とか、
そういうのじゃないの。
川崎さんともちゃんと話さなきゃいけないし。
」
「一発逆転って可能性もあるかもしれないしねー。
」
「一発逆転?」
「ほら、川崎さんが莉子の為に崖の上の花なんかを摘もうとして、で、崖から落ちちゃって、もう動かない身体になっちゃって、で、僕にはもう君しかいないなんて言われたら、
責任感じて結婚するでしょ?」
「何そのベタな少女漫画みたいな話。
」
「現実はベタな作り話より怖いのよ。
あー、川崎さん、この男の見る目の無い女を
どうかお許しください!」
「・・・」
『私もバイトがんばります!
莉子』
「短っ!」
そう呟き笑う直輝。
「直輝さんって、莉子さんと仲いいんですか?」と秀治。
「は?何急に。
」
「いや、二人でよく公園で会ってるから。
」
「・・」
仲間に冷やかされる直輝。
「ほら!
いつまでも恋の話で浮かれてていいような時期じゃないんだぞ。
・・なんてたまにはキャプテンらしいこと言ってみたり。
」
宇都宮はそう言いみんなを笑わせ、ジョギングに出かけていく。
「じゃあ俺も行きまーす!」直輝が続く。
莉子のことを思いながらグングンスピードを上げていく直輝。
莉子たちのマンション
鼻歌を歌いながら洗濯物を畳む麻衣を莉子がからかう。
「なによ自分だって彼氏が出来たからって浮かれちゃって。
」
「私だってまだ秀治君と付き合うって決めてないの。
」
莉子、ニヤリ。
「やめてその顔。
」
「ふふふふ。
」
「ていうか、今いい関係なのに恋人になることで
それが崩れるのが怖いの。
」
「うっそ!そんなに好きだったの?秀治君のこと。
」
「え・・・いや、それ程でもないけど。
今宇都宮さんが私を迎えに来たら、
そりゃあもちろん宇都宮さんに、・・・」
「ちょっと?何妄想してんの?」
「ダメだ私やっぱりおかしい!
今秀治君の船と宇都宮さんの船がいっぺんに私を迎えに来たら、
秀治君の船に乗ってしまう気がする。
それがいくらボロボロの船であっても!」
「ほーらやっぱりね!」
「私今更好きだなんて言えない。
どうしよう・・。
」
するとそこに、莉子がアルバイトをしている会員制バーの支配人から電話が入る。
支配人は、莉子が店の上客の八尾(升毅)から演奏を非難されたことを問題視し、これ以上演奏をしてもらうわけにはいかない、と告げた。
「私、もっと頑張ります!
もっと練習して、満足してもらえるように、努力します。
私、誰かに演奏聞いてもらえる所、今そこしかないんです。
」
「そう言われてもね・・。
申し訳ないね。
今までのギャラは振り込みますから。
」
「・・・」
直輝の部屋
ベッドに横になり、ふと、「莉子・・」と呟き照れ笑いする直輝。
突然腕立て伏せを張り切りだす。
真希子(真矢みき)と優里(大政絢)は、直輝の変化に気づいていた。
バスケ専門誌のインタビューで川崎が直輝への期待を語っていることを知った真希子たちは、大喜びだった。
「ママも今年こそは一緒に見に行こうね!」
「あー、私は行かない。
だって私が行くとほら、」
「気にしすぎだよー。
ママが見に行った試合は、負けるなんてジンクスまだ信じてんの?」「だって高校の頃からずーっとそうだったのよ?」
「意外に繊細なんだから。
今度は行くよ!
今シーズンは、お兄ちゃんにとって勝負の都市なんだから。
」「そうなのよね・・。
」
雑誌の記事を読んだ直輝は、川崎(伊藤英明)が自分に期待してくれていることを知り・・複雑になる。
公園
バイオリンを弾く莉子の姿を見つめる直輝、
ふと、
「俺は信じてるよ、直輝のことを。
」
と川崎に言われたことが脳裏をよぎる。
ドリブルしながら公園に向かう直輝。
「あ、今ね、音だけで直輝ってわかったよ。
」
「マジで?」
「足音とボールの音でわかった。
これなら私、バスケットコートのどこにいるか
音だけでわかるかも。
」
「バスケやんないじゃん。
」
「やんないけど、でもなんか嬉しい。
」
「やってみる?」
「うん!触ってみたい!」
「気をつけてね。
」
直輝とボールを投げあう莉子。
「結構重たいんだね。
はい、シュート!」
直輝は莉子から受け取ったボールをシュート。
「試合した気分!」
「指大丈夫?」
「うん。
でも・・私の夢はもう遠いかな・・。
」
「え?」
「ううん。
公式試合ってどうなの?お客さん沢山来るの?」
「うーん、300人くらいかな。
でも、決勝とか近づくと、何千人とか。
代々木の第二体育館ってあるでしょ?
あそこで満員で三千人。
」
「へー、そんなに?すごいね!」
「すごいんだよ。
お客さんの歓声とかすごくて、すげー興奮するし。
莉子にも早く見てもらいたいな。
」
「うん。
楽しみだなー。
」
「あ。
」
直輝は、莉子にフレンチトーストのレシピを渡す。
「俺、忙しくなるし、あんまり作ってあげる時間無くなるからさ。
レシピ書いておいた。
」
「ありがとう!作ってみる。
・・・あの時、」
「うん?」
「あの時、バスの中で直輝の携帯拾ったの、私だよ。
」
「え?」
「窓の外で、直輝が一生懸命走ってて、
でも、見えなくなっちゃって。
そしたら、川崎さんから電話が掛かってきて。
」
「・・・」
「あの時私達、一瞬だけど会ってた。
」
「そうか・・。
」
「うん。
」
「そうだったんだ。
」
「え?」
「でもいいや。
今こうやって会えてるし。
こうやって5分でも10分でも、ちょっと会うだけでも、
すげー元気でるし。
」
公園の前に信号待ちのタクシーが停まる。
そのタクシーには菜月が乗っていて、二人の事を見ていた。
菜月に気付くことなく無邪気に微笑みあう二人。
バスケの練習後、アークスのメンバーは川崎とネットワークカメラで話をする。
「お疲れ様です、川崎さん!」
「何だよみんなで。
照れるな。
」
「どうですか?そっちの状況は。
」
「うーん・・実はあまり収穫がないんだよ。
そっちはどうだ?」
「調子いいっすよ。
メニューもFまで終わりましたからね!」
「いいね!」
「暑いっすか?ボストンって、暑いっすか?」と秀治。
「まあまあね。
・・・直輝。
調子はどうだ?」
「・・バッチリです!」
「・・・そっか。
とにかく、あと1週間だ。
期待してるから、頑張れよ!」
「はい!!」
莉子のバイト先の本屋に菜月がやって来る。
菜月から食事に誘われたのだ。
「急に誘ってごめんね!
川崎さんがいないから、もしかしたら割と夜暇なのかなと思って。
」「あー、まあ・・」
「寂しいでしょ?川崎さんも忙しいから。
」
「ええ・・まあ・・」
「タメ語でいいって。
同い年なんだから。
」
「え?そうなんですか?」
「うん、直輝がね、そう言ってた。
」
「・・・」
「白河さんって直輝と友達なんだよね?
直輝って、何でも私に話してくれてたから。
」
「・・そう。
」
「私もちょっと暇なんだ。
直輝と別れちゃって。
」
「・・・」
「あ、そういえば、前に練習試合で直輝に怒鳴ってたよね。
」
「あ・・あの時は、本当にごめんなさい。
」
「ううん。
言ってる事当たってたし。
昔はね、すっごいカッコ良かったんだよ。
」
「え・・」
「大学4年のときに、同期の子たちと直輝の試合見に行ったのね、
文教大の。
直輝がバンバンシュート決めて、
こんな凄い人と同じ会社のチームなんだって・・。
」
「へー・・。
」
「入社して仲良くなりたいなとか思ってたら、
向こうから告白されて。
運命かなってすっごい嬉しかった。
」
「へー・・」
「ごめんなさい。
もう別れたのに、直輝の話ばっかり。
私って、未練がましいよね。
」
「・・いやいや、そんなことは、」
「じゃあもう少しだけ話していい?」
「・・・ええ、もちろん・・どうぞ。
」
「ありがとう。
私ね、直輝の手が凄く好きだったんだ。
指が柔らかいんだよね。
触り方が優しいの。
フィンガーロールって知ってる?
バスケで、シュートを投げる瞬間に、キュってボールに回転かけて、そうすると、すごいキレイにシュートが入って。
」
「・・・」
「器用なんだよね。
泊まりに来ると、お風呂とかまですっごいピカピカに掃除してくれて、こっちが恥ずかしくなっちゃう。
電話もメールもマメでしょ?
それに、」
「・・・」
夜、部屋でバイオリンを弾く莉子。
弾きながら頭に浮かぶのは菜月の言葉ばかり・・。
「・・・ダメだ。
全然集中できない・・。
」
直輝が公園にやってくると、そこに麻衣と秀治がいることに気付く。
「このシュートが決まったら・・僕と付き合って下さい!」
秀治が麻衣に言う。
「え・・」展開に驚く直輝。
「確かに、収入はないけど・・
だけど・・
ちゃんと麻衣さんの彼氏として、認めてほしいんです!」
「なんだそれ・・」と直輝。
「いいよ。
」と麻衣。
「いいの!?」と直輝。
緊張しながらも、見事にシュートを決める秀治。
「やったー!」と秀治。
「やった!」と直輝。
「やったー!!」と麻衣。
「・・ていうかプロなんだから入って当たり前だろ・・。
」と直輝。
秀治が麻衣を抱きしめる。
「ちょっとやめてよこんな所で居候のくせに。
」
「すいません!」
「離さないでよ!」
「・・え?」
「嘘だよ。
こういう意地悪なセリフは、私特有の・・照れ隠しのジョークなの。
早く気付いて突っ込んでよ。
」
「・・そうなんですか。
ってことは・・」
「好き・・なんて・・正面向いて、目見ながら言えるほど・・
恋愛上手じゃないの、私。
その辺は・・いくら年下だからって、男の子が上手くリードしてよ。
」麻衣を抱きしめる秀治。
「好きですよ。
麻衣さん。
」
その言葉に嬉しそうに微笑み、頷く麻衣。
そして麻衣は、秀治の頬にキスをした。
そんなふたりを見ていた直輝は思わず小さく拍手。
そして二人には声を掛けずにそっと帰っていく。
別の日、菜月は、体育館でひとり練習を続ける廉の姿を見ていた。
廉はシュートを外してばかりで苛付いていた。
そんな廉を見ていた菜月が笑う。
「何だよ!」
「ううん。
私最初からあなたのプレーあんまり好きじゃなかったなーと思って。
下品で乱暴で、自分のテクニックを見せびらかしたいだけの、
自己満足のバスケ。
」
「言ってくれるね。
何で電話に出ないんだよ。
」
「金沢さんとのデートで忙しいんじゃないの?」
「・・・ふーん。
嫉妬してくれないの。
」
「ごめんなさい。
私、そこまで好きじゃなかったみたい、あなたのこと。
」「・・・」
「調べたんだけどね、インカレで直輝に負けた年に留学したんだね。
そんなに悔しかった?直輝に負けたの。
・・・だからうちに入ったし、私にも。
でもバスケは上手くはなったかもしれないけど、
あなたのプレーはアークスで浮いてる。
これじゃ又直輝に負けるかもよ。
」
「うるせーんだよ!」菜月のすぐ側ににボールを投げつける廉。
だが菜月は瞬き1つせず、冷静に廉を見つめている。
「ふざけんなお前!」菜月に掴みかかる廉。
「子供ねー。
もっと考え方変えた方がいいよ、勝ちたいんなら。
」
「・・・」
そこに直輝がやってきた。
菜月は廉の手を振り切り、何も言わずにその場から去っていく。
一人になると、菜月は呟く。
「・・・何やってんのよ私・・。
」
麻衣たちのマンション
麻衣と秀治が仲良く食事をする様子に、莉子は部屋で呟く。
「なんだか・・家に居場所が無くなってしまった・・。
」
そこへ、直輝から電話が入る。
「実家帰るの?」
「うん、明日。
昨日お母さんと電話したら、夏の間に一回帰ってこいって言われて。
」「ふーん。
実家どこだっけ?」
「山梨。
美味しい果物沢山あるんだよ。
桃とか。
」
「へー!じゃあ・・俺も行こうかな。
」
「本当!?」
「嘘嘘。
練習あるし。
行きたいけどさ。
」
「うん。
そうだよね。
ちょっと、会えなくなっちゃうね。
」
「うん。
でも大丈夫。
電話もメールもあるし。
」
「・・・」
「どうした?」
「ううん。
あ、そうだ。
明日の夜って会える?
明日、直輝に会ってから、深夜バスに乗って帰ろうかな。
」
「うん。
じゃあ、練習終わったらすぐ行く。
」
「うん。
」
「7時までには間に合うと思う。
」
「じゃあいつもの公園でね。
うん、またね。
」
直輝の家
「ね、どう足首?」と真希子。
「もう問題ない。
大丈夫。
」
「そう、良かった!
でもだからって無理しすぎないでよ。
」
「大丈夫だって。
俺今すげー調子いいんだ。
」
「うーん、いい顔してる。
」
「ていうか、今年こそ、ちゃんと忚援来てよ。
」
「そうねー。
この川崎さんのインタビュー読んでると、
行きたくなっちゃうなー!」
「・・・」
直輝の携帯が鳴る。
すぐに出るが、電話は切れてしまう。
それは、菜月からだった。
翌日、莉子はスーパーにフレンチトーストの材料を買いに行く。
体育館
選手たちが練習する中、菜月は直輝のことを目で追ってしまい・・。
買物から帰った莉子は、慣れない手つきでフレンチトーストを
作り始める。
雤が降ってきた。
練習を終えて莉子のもとへ向かおうとした直輝は、
その途中で、雤に濡れながら歩く菜月に出会った。
「どうした?」
「・・・」
1つの傘でガード下まで走る直輝と菜月。
「持ってけよ。
」
「いいって。
」
「いいから。
」
「いいってば。
」
「・・置いてくね。
」
「ねえ!
大丈夫なの?右足。
合宿の後ぐらいから・・走り方がおかしかったから。
」
「ああ・・今のところは大丈夫。
」
「・・・良かった。
」
「ありがとう。
・・昨日の電話もそれだった?」
「・・・うん。
もう友達でも恋人でもないけど・・
私は・・仲間だと思ってるから。
」
「・・・」
菜月がくしゃみをすると、直輝はタオルを掛けてあげる。
「風邪引くよ。
」
「こんなことしないで!
別れた女に、こんな中途半端に優しいことしないで!」
「仲間なんだろ?僕もそう思ってるし。
」
「・・・」
「あいつと何かあった?」
「・・・関係ないから。
直輝には。
」
「うん。
でも・・菜月は自分で思っているほど強くないからさ。
」「・・・」
「じゃあ・・行くわ。
」
立ち去る直輝に菜月は駆け寄り背中から抱きしめる。
「行かないで。
」
「・・・」
その頃莉子は土砂降りの雤の中、直輝のことを待っていて・・。
上手くいきかけると邪魔が入る。
(笑)
菜月ももっと早く素直になれればよかったのに・・。
きっとあのあと直輝は、自分を抱きしめる菜月の手を
そっと離したんだろうなー。
好きな人と気持ちが通じ合った瞬間って、きっと一番幸せな時間!莉子と直輝を見ていてそう思いました。
キスしたり微笑みあったり抱きしめあったりする二人が
幸せいっぱいなのはもちろんのこと、
直輝が帰ったあと、直輝に名前を呼ばれたことを思い出して
幸せに浸る莉子、
莉子の家からの帰り道、自転車を楽しそうに漕ぐ直輝、
別々のところで幸せをかみ締めている描写が素敵でした。
恋の力なのか、直輝はバスケも絶好調!
でもランニングを張り切る直輝に、足に負担が掛かって
しまっているのでは、とヒヤヒヤ。
菜月は直輝の足の怪我にずっと気付いていたんですね。
元カノと新しい恋。
莉子のことであんなに幸せそうな直輝が、
菜月とヨリを戻すとは考えにくい。
やっぱり、一番大きな問題は川崎さんかな。
直輝は川崎さんに、莉子は菜月に、遠慮してしまうのでしょうか。
麻衣と秀治、今日もとっても可愛かったです。