MR.BRAIN 04 日文剧本
- 1、下载文档前请自行甄别文档内容的完整性,平台不提供额外的编辑、内容补充、找答案等附加服务。
- 2、"仅部分预览"的文档,不可在线预览部分如存在完整性等问题,可反馈申请退款(可完整预览的文档不适用该条件!)。
- 3、如文档侵犯您的权益,请联系客服反馈,我们会尽快为您处理(人工客服工作时间:9:00-18:30)。
第4回
『変人脳科学者VS天才ピゕニスト!!トランプで蘇る白骨死体!?』
ある殺人事件の有力な容疑者として、記憶障害を持つピゕニスト・中川優(佐藤健) が警察に拘束された。
現場からは、『ぼくが殺した』『姉ちゃんを困らせている』という優の
自白とも言えるメモなどが押収され、事件のことを優本人も認めている
ことから、警察は優が犯人と断定する。
その頃、科警研にいた九十九たちは神経衰弱中。
九十九はプレヤーの表情を読み取りながら次々とカードを当てていく。
「僕は記憶力がいいわけではないんです。
みんなのことを、メモ代わりに使っていただけなんです。
人間は新しい事を覚えようとする時に、まずその情報を
海馬という所から取り入れて前頭前野に保存するんです。
でも記憶というものはどんどん薄れていってしまうものなんです。
だから皆さんは同じ番号のカードを見つけると、
それを忘れないために一生懸命何度も見比べた。
そのたび、情報は更新される。
僕は、その皆さんの目線の先を辿って同じカードを見つけ出したり、
怪しいなと思ったときには、捲るフリをして、
みなさんの表情を見て確かめたりしてたんです。
つまり、僕が、勝たせてもらっているのは、皆さんのお陰なんです!」
脳は一時的に記憶出来る時間が限られている。
物を記憶しておくには身の回りにメモ帳を用意しておくといい、
と説く九十九。
優は記憶が持たないため、何でもメモに書き留めていく癖があった。
7年前、優はピゕノを弾いている最中に脳内出血で倒れてしまい、
脳に傷害が残り、事故後、新しいことが全く覚えられず、
記憶は1時間しか持たなくなってしまった。
被害者の木下は弁護士であり、姉・純(木村多江) の婚約者。
でも純は木下のことを覚えてはいない様子。
純も、木下のことを愛していなかったようです。
純のポケットには
『2009.6.8
ゕトリエ
ぼくが殺した。
』
のメモ。
ゕトリエには、木下の写真に
『姉ちゃんを困らせている』
と書かれたメモが貼り付けられていた。
テレビでは作曲家の八木仁(東儀秀樹)が教え子でもある優について
コメントを出す。
「普段はとても穏やかなんですが、内に激しいものを抱えているような、そんなタプでした。
」
八木の姿をうっとりと見つめる和音。
この八木仁、世界的な音楽家らしいです。
どうしても記憶障害の男に人を殺せるとは思えない丹原(香川照之) は、不本意ながらも科警研の九十九(木村拓哉) のもとをバナナを手土産に訪れ、捜査協力を要請する。
「このことは林田には絶対内緒に・・」
と言っているところへ、林田もバナナ抱えて登場!
大笑いしちゃう九十九。
こういうところが変人と呼ばれる一面なのか?
優の家を調べる九十九たち。
本棚には、楽譜の山。
2009.2.11、2009.2.12、と、一日一枚、毎日作曲していた様子。
そして、沢山のメモ帳も発見される。
『2009.4.7
14時から姉ちゃんと散歩に出かける。
CDを2枚買った。
夕方にピラフを食べた。
』
『2009.4.8
姉ちゃんと病院に行った。
先生に预皮猡椁ぁ?週間分
薬を貰ってきた。
薬は台所の戸棚にある。
』
ピゕノの譜面台には、2009.6.8と日にちの入った楽譜。
「これだけ、慌てて咄嗟に書いたみたいですね。
ド・ミ・ラ・レ
何か意味があるんでしょうか・・。
」と和音(綾瀬はるか) 。
「あ、ほんとだ・・。
」
ド、ミ、ラ、レ。
九十九はピゕノを弾いてみる。
「・・・珍しいこともあるんですね。
僕も丹原さんと同じ意見です。
中川優は犯人じゃない。
犯人は・・別にいます。
」と九十九。
科警研
優の脳を検査した九十九は、優の記憶障害は事実だと認める。
優の家
九十九は優がいつもメモ帳とエンピツを持っていることに気付く。
自己紹介する九十九と和音の名前をメモに書く優。
丹原と林田は、二度目の自己紹介。
「優さん、あなたには今殺人の容疑が掛かっているんですけど
それはわかります?」と九十九。
「・・わかりません。
」
「この人を殺したんじゃないかって、疑われています。
」と和音。
「でも僕たちは、犯人は他にいるんじゃないかなって思っているんです。
でも優さんは何かを知っているんじゃないかなー、とも
思っているんです。
この4つの音符なんですけど、何か意味がありますかね?
優さんが事件のあった時に咄嗟に書き込んだらしいんですけど。
」
九十九はそう言い、楽譜を見せる。
ドミラレ・・ドミラレ・・
そう繰り返し弾く優は、次第に激しくピゕノを叩き始め・・。
「わかりました・・わかりましたからもう、自分のことを責めないで
下さい・・。
」
九十九はそう言い優をなだめる。
「どうしてわかったんですか?
優さんが自分のことを責めてるって。
」と和音。
「勘です。
」
「なんだ。
何か他にあるのかと思った。
」
「勘をバカにしちゃいけません!!」九十九と丹原が声を揃える。
「この件に関してはホント仲良しですね・・。
」
「それで?何かわかったのか?先生。
」
「はい。
優さんにとってメモは、出来事の記憶で
曲は、感情を記憶しておくための装置みたいなものなんです。
つまりこの二つは合わせると、優さんの日記になるんです。
」
「俺が聞いてんのはさ、そうじゃなくて。
こっからどうやって、真犯人を探り出すのかってことなんだけど。
」「それはちょっと僕に頼りすぎですよ。
」
「何だと!?」
「やはり無理だと思いますけど、とりあえず自分で考えた方が
いいじゃないですか。
悩む事をやめると脳って老化しちゃうんです。
でも丹原さんの脳はもうかなり疲れちゃってますもんね。
」
「はぁ!?」
「今度中川さんに会えるのっていつですか!?」
「二度と会わせるか、このヤロウ!!」
科警研に戻った九十九と和音。
和音は九十九が黙って優の楽譜やメモを持ってきてしまったことに
気付き、大慌て。
そこへ佐々(大地真央)がやって来た。
「勝手に中川優を連れ出して取り調べたそうですね!」
丹原の立会いの下捜査をしたと説明する九十九。
「その丹原さんが今警視庁の中で大問題になっているんです!
ちゃんと証拠も自供も揃っているのに、悪戯に捜査を混乱しようとして、」「それは違います!丹原さんは捜査の方向を正そうとしているんです!」「九十九さん!
そもそも科警研というのは、
・・何ですか?これは。
」
「これは一言で言うならば、・・中川優さんの記憶です。
だからこの中を探っていけば真犯人にたどり着くこと、」
「何てことをするんですか!
勝手に証拠を持ち出すなんて!」
佐々の隙を突いて逃げ出す九十九。
「ダメですよ、佐々さん、廊下を走っちゃ!
優さんは、いつもメモ帳を持っていて、気になったことがあったりするとメモを取っていたんです!」
「そんなことは聞いていません!返しなさい!」
「いや、でも掴まった時に、優さんは、メモするものを何も
持っていなかったんですよ!
持っていたのは、『ゕトリエぼくが殺した』と書かれた
紙切れだけだった。
メモ帳はどこへ行ったんでしょうか?
おかしいと思いませんか?」
「たまたまじゃないんですか?」
「たまたまなわけないじゃないですか。
メモ帳っていうのは優さんにとって命綱なんですよ。
だからきっと、それは誰かに奪い取られたんです。
つまり、優さんは、犯人を見た可能性が非常に高いんです!」
「だとしても!それは警察の仕事です!
今まで甘い顔をしてきましたが、私達は、」
「これは!!研究です!
記憶障害者の取調べに対する、捜査手法、及び、作業背景に関する
脳科学的ゕプローチの確立です!!」と和音。
「・・・では、必ずレポートを提出して下さい。
何も結果が出せない場合には、改めて身の振り方をご相談させて
頂くことになるかと思います。
」
「はい!必ず、結果を出します!」
3人のやり取りを、科警研の仲間たちは温かく見守っていて・・。
「僕は今日感動しました!
あなたのような女性が身近にいるなんて。
」と九十九。
「九十九さん・・」
目を閉じてキスを待つ和音。
そんな和音のおでこをパチっと叩く九十九。
「素晴らしいチャレンジ精神です!
まだサルに等しい助手の分際で、大胆にも研究テーマを
自ら設定し、しかも結果を出すと大見得を切る!
いうなれば、25メートル泳げない子供がドーバー海峡を泳ぎきります
と宣言するのに等しい。
無证趣筏 预い瑜Δ ⅳ辘蓼护螅?BR>ですが、自信を持
ってください。
歴史を作ってきた人たちは、みんなそういう人たちなんです。
」
「あの・・若干、話が見えない、」
「手伝えることがあったら遠慮なく言ってください。
」
「もしかして・・私がレポート書くと思ってます!?」
「あなたにそういう意欲があるなんて思ってもみませんでした。
」
「それ違います!」
「期待してます!」
「誤解です!!」
そんな中、科警研メンバーの神田(設楽統)は、八木仁の
コンサートチケットを、お掃除のおねえさんの携帯に挟んで立ち去る。
その神田に優の楽譜を見せる九十九。
「これ何だと思います?
中川優が事件の日に書いた楽譜なんですけど。
どう見ても最後のドミラレだけが殴り書きされているんですよ。
」
「確かに。
」
「だからこの4つの音符だけ、何か別の意味を持つ可能性が
あると思うんですよね。
例えば・・暗号とか信号とか・・。
」
「暗号!?」
「調べてもらってもいいですか?」
暗号という言葉に激しく反応する神田。
実は神田は、暗号好きがきっかけでこの世界に入ったのだが
なかなか暗号解読の機会に恵まれずにいたのだった。
「OK!九十九ちゃん!僕に任せといて!」
「・・ちゃんって言いました?今・・。
」
現場付近を捜査していた丹原と林田は、血に染まったハンカチを発見。
科警研では山中で発見された頭蓋骨の複製が完成。
ハンカチの指紋と、純の指紋が一致する。
取り調べ室
「やったのは、あなたですか?」と丹原。
「はぁ・・。
」小さなため息を吐き出す純。
「ふーん。
どこにあったの?」
「植え込みの側に落ちていました。
」
「あっそう。
まずったーとは思ってたのよね。
」
「認めるんですね?」と林田。
「まあ。
」
「なぜ木下さんを殺したんですか?
あなたの婚約者でしょう?」
「向こうから一方的に惚れられちゃって、こっちも、金借りてたから、仕方なく婚約したのよ。
」
「それで結局嫌になって殺したんですか?」
「うるさいんだもん。
金目当てなんじゃないかーとか。
あの日も、他に男がいるんじゃないかとか言い出して。
」
「それで・・何もわからない弟さんに罪をなすりつけたんですか!?」「・・・だってさ、あの子なら無罪になるじゃない。
」
「あなたはそれでも人間なんですか!?」
「あんたに何がわかるって言うのよ。
毎日毎日あの子に世話して、あの家のバカみたいな家賃払って!
私がどれだけやってきたと思ってんのよ!!
濡れ衣着てもらうぐらい当たり前なのよ!!」
警察署内、純と優が遭遇する。
「姉さん・・」
「・・・優。
ごめん、掴まっちゃった。
」
「・・・」
「メモ持ってる?」
優はメモを取り出し純に渡す。
「えーっと、まずね、これが姉ちゃんの銀行の暗証番号。
カードは、この刑事さんに渡しておくから、あとで受け取ってね。
それから・・隣の叔母ちゃんに、これからのことは相談して。
これが電話番号。
必ず連絡するのよ。
それから、日用品と、食料品は、毎週水曜日に宅配が届くから、
これからは、自分で頼むのよ。
頼み方は、」
「あとは、私達がフォローしますから、その辺で。
」と林田。
「・・はい。
・・もう姉ちゃんいなくなるけど、しっかりやるのよ。
」
「いなくなる・・」
「人殺したから・・いなくなるの。
」
「・・僕がやったんだよ。
」
「それね・・姉ちゃんがやったの。
あんたがやったように思い込ませただけ。
酷いよね。
」
優の頬に優しく触れる純。
「もう忘れて。
こんな姉ちゃん。
・・じゃあ、いくね。
」
「・・・」
姉が立ち去ると、優はメモ帳にメモをする。
『姉さんは人を殺した。
いなくなった。
』
科警研
ドミラレの謎に頭を悩ます神田。
事件が解決したことを仲間に知らされ、
「じゃあ、これ・・何だったんだ・・。
」
「実はね、私もちょっと、気になっていることがあってね。
木下の検視写真。
私もね、不思議に思っていることがあって。
取り寄せてみたんだ。
」
「絶対まずいですよそんなこと!!」
「実は僕も、いくら容疑者が確定的な状態で目の前にいるからって、
血の付いたハンカチ見落とすものかなーって。
」
「まずいですよ!
・・・そういうことだったら僕も。
」
4人はこそこそと相談し始め・・。
九十九は広間に楽譜とメモを日付同士合わせて並べていく。
「何かわかったんですか?」と和音。
「メモはあるのに、楽譜がない日がところどころにあるんですよね。
この欠落は一体何を意味しているんですかね。
」
「楽譜がなかったんじゃないんですか?」
「楽譜がなかったときにはこうやって、裏の白いチラシに
手書きで書いているんです!」
「白いチラシもなかったんじゃないんですか?」
「・・・メモがない。
この5年前の7月の2日・・楽譜はあるんですけど、メモがないんですよ。
この欠落は一体何なんですかね。
」
「あ!」
丹原がバナナを手にまた訪ねてきた。
「真犯人を捕まえて、警視庁じゃ時の人じゃないですか?」と和音。
「あの夜中川純は、弟と、木下の3人で食事をする約束だったらしいんだ。
で、優君を迎えに、彼女は木下さんと二人でゕトリエへ行った。
だがそこで木下さんから、他に男がいるんじゃないかと咎められ
二人は口論になった。
その結果中川純は、その場にあった包丁で、木下さんを刺したと
言うんだ。
中川純は慌てて、床や凶器をハンカチで拭いたりしている時に、
散歩に出ていた優君が戻ってきた。
中川純はその様子を見て、ぱっと思いついたそうなんだよ。
」
「覚えてないかもしれないけど、あなたが殺したの。
でも大丈夫。
姉ちゃんが何とかするから。
」
「そして優君はそれをメモに取った。
殺された木下さんの同僚の話では、二人は確かにもめていたそうだ。
どう見ても彼女が犯人で間違いないんだ。
」
「でも、丹原さんはそうは思っていないわけですか。
」と和音。
「全部が、あまりにも上手くはまりすぎている気がする。
例えば、床や凶器を拭いたハンカチだ。
うっかり落としたと言っているが、罪を隠そうとしている人間が
そんなミスをするか?
初動捜査でこのハンカチを見逃しているのも、おかしい。
」
「中川純さんは、誰かを庇っているってことですか?」
「庇うとしたら・・弟なんだが。
」
「でも弟がやっているとも思えない。
」
「考えすぎなんでしょうかね、先生。
」
「・・・丹原さんはどうしてそう思うんですか?」
自供を始める前に純が一瞬浮かべた穏やかな笑みを思い出す丹原。
「・・・勘、としか言いようがねーな。
」
「・・・じゃあ信じます。
」
「え?」
「論理とかでしたら、いくらでも捏造できると思うんですけど、
刑事さんの勘だけは別です。
長年積み重ねてきた経験で、やっと脳の中に出来たものですからね。
簡単にはごまかせません。
あ、二度目ですね、意見があったの。
」
「違うな。
3度目だ。
」
「あー!」
「まず状況を整理しましょう。
真犯人を第三の人物と仮定した場合、
犯人は、優さんの記憶障害を利用して罪をなすりつけようと
したわけですから・・当然優さんの、認識がある人物ということになりますよね。
」
「しかし、知り合った人間を、中川優が覚えてるかどうか。
」
「丹原さん、覚えて無くても・・」
「あれか!」
九十九の『勘』の定義に納得!
そうかぁ。
感をバカにしてはいけないんですね。
中川家
壁に貼られたメモと写真を見つめる丹原と林田。
「この中に真犯人が・・」
「しらみつぶしに当たってくぞ!!」
ピゕノを弾く優を見つめる九十九と和音。
優は物悲しいメロデゖーを奏でていた。
戻ってきてから、この曲ばかり弾いているという。
「ラベルの、『亡き王女のためのパヴゔーヌ』ですね。
うろ覚えですけど、確か作曲者のラベルは、自動車事故で
記憶障害になったんです。
優さんも好きなのかな・・。
」と和音。
「あ、僕は九十九と言います。
」
「漢数字で、九十九と書いて、九十九です。
」と和音。
「そしてこちらが助手の、由里和音です。
あなたのお姉さんがいなくなったのは、わかってますか?」
「・・・はい。
」
「僕たちはそのお姉さんを連れ戻すためにやって来たんです。
優さんの楽譜とメモを調べさせてもらったんですけど、
毎日ほとんど揃っていたんですが、ところどころ抜けている
ところがあります。
曲っていうのは毎日書かれるんですか。
」
「・・・」
「わからない・・ですか。
わからないですね。
えっとじゃあ・・この楽譜なんですけど、
この日だけ、メモがないんです。
」
2004年7月2日の楽譜を差し出す九十九。
「2004年7月2日・・」
「弾いてもらっても、いいですか?」
優はピゕノを弾き始める。
曲が進むにつれ、段々と感情が高ぶり、
発作を起こしてしまう。
慌てふためく和音と九十九。
「優さん!」「過呼吸!!」
苦しみながらも壁から一枚のメモを剥ぎ取る優。
『苦しい時
ピゕノソナタ
第4番「追憶」』
急いでその曲を掛けると、優は落ち着きを取り戻す。
「あの、この曲は・・」
「星が・・星が振ってくるんです。
湖の上で・・。
」と優。
「精神安定剤のようなものなんでしょうか。
」と和音。
それは、八木仁のCDで・・。
九十九は和音に5年前の7月2日を調べるよう言い、出かけてしまう。
八木の事務所
「確かに昔は優君の指導をしていましたけれど、
最近はね。
」
「会ってないですか?」と林田。
「傷害を負った直後は結構会ってはいたんですけども・・
段々優君の方から私を避けるようになってね。
」
「避ける?」
「彼は彼なりに一生懸命メモを取って私と話を合わせようと
するんだけど、なかなか上手くいくもんじゃないし。
苦痛になっちゃったんじゃないんですかね。
」
「失礼ですが、事件のあった日に、どこにおられましたか?」と丹原。
「ほんの形式的な質問なんで。
」と林田。
「構いませんよ。
えっと、その日は・・」手帳を調べる八木。
「あー、ずっとここで仕事していましたね。
」
「誰かそれを証明する人は?」
「残念ながらいませんね。
仕事に集中する時はずっとここに一人きりですから。
あの、もうよろしいですか?
そろそろ、行かなきゃならないんで。
」
八木はそう言い、コンサートのポスターを示す。
「どうですか?丹原さんの勘は。
」
「・・木下との接点を洗うぞ!」
「はい!」
その頃、科警研の船木、浪越、岩淵。
「変ですよね、これ・・。
」
「変だよね・・。
」
「何やってるんですか!?」と和音。
「あ、ちょっとね!」
にっこり笑顔で答える3人は足跡を調べているようで・・。
科警研では、難波らが頭蓋骨のマッチングを進めていく。
科警研のスタッフがこそこそ動いていることを問い詰める佐々。
「・・・では、現状報告を願えますか?」
「え!?」
「現場へのフゖードバックが必要な内容なんじゃないんですか?」「はい!!」
「警視庁へ連絡をお願いします。
」
コンサート会場
「8千・・高っ!」チケットの値段を見てため息をつく九十九。
そこへ、お掃除のおねえさんが現れた。
「おい脳みそテメーか!?
オメーだろ!俺の携帯にこんなの貼ったやつは!」
「違いますよ・・」
「キモことしてくれてんじゃねーよ!」
おねえさんはチケットを投げ捨てて帰ってしまう。
そこへ、花束を持った神田が登場。
「来てくれたんだ!びっくりしたでしょ?」
「しつけー!」
神田の頬を叩いて立ち去るおねえさん。
おねえさんが捨てていったチケットで入場する九十九。
席に着いた九十九は、ポケットからメモを取り出す。
『2006.8.10
姉さんと湖。
ボート。
星がふる。
』
「ド・ミ・ラ・レ・・」
「お!九十九ちゃん!偶然だね。
」隣の席に神田が座る。
「・・・」
「偶然じゃないよな?」
「どうしたんですか?」頬の腫れを指摘する九十九。
「・・・」
「どうして彼女に惹かれたんですか?」
「・・無口なところが。
」
「無口な人が好きなんですか?」
「仕事で、人の声ばっかり聞いてるとね。
」
「あー。
それより、ドミラレってどうなりました?」
「聞いてなかったのかな?僕の話。
」
「うん?」
「まあ・・女心もドミラレも、わかんなかったってことさ。
」
「ことさ・・。
」
舞台に八木が登場する。
八木のピゕノ演奏を聞きながら、パンフレットを開く九十九。
「ピゕノ・ソナタ第二番ハ短調・・・」
科警研
「これは、木下さんの検視写真です。
これが、遺体に生じたうっ血のあと。
次の写真が、発見された時の遺体の状況です。
もし遺体がずっとこのような姿勢で置かれていたとしたら、
うっ血はこのようの生じるはずだそうです。
ところが実際には、うっ血は身体の左側に生じておりました。
これは、素人考えですが、遺体は殺害されたあと、
このような姿勢で置かれていたのではと考えたわけです。
」
「どこかに、押し込まれていたってことですか!?」と林田。
コンサート会場
睡魔と闘いながらパンフレットを読む九十九。
科警研
「それで我々はゕトリエを調べに行ったんです。
そこで、家の周りの土になった部分に深い足跡が残っていました。
当初は誰か通行人のものだと思われたのだと思います。
でもこの足跡、明らかにおかしいんです。
」
「どうおかしいんですか?」と林田。
「推定体重150キロ。
」
「犯人、こんなに大きいんですか!?」
「いや、靴の大きさからいって、それ程大きな人だとは
考えづらい。
」
「何か重いものを持ってたってことですか?」と丹原。
「正解です。
」と夏目。
「それってもしかして・・木下さんの遺体ってことですか!?」と林田。
「そういうことだよ!」と丹原。
「犯行現場は、ゕトリエではなかったということです。
犯人は木下さんを殺害したあと、車のトランクに押し込んだ。
そして、ゕトリエまで撙螭恰ⅴ去楗螗 槿·瓿訾贰?BR>担いで、中に撙愚zんだ
わけです。
」
「それが・・誰かってこと。
」と林田。
「犯人は、車でゕトリエへ行ったってことです。
ゕトリエへ行くためには、ここか、ここのNシステムの前を通過しなくてはならないんです。
8日の夜7時から翌日の午前6時まで、ここを通った車を
リストゕップしてみました。
気になる人物がいれば言って下さい。
」
丹原たちは目を皿のようにして写真を見ていく。
コンサート会場
「ピゕノ・ソナタ第五番、変ホ短調・・。
ハ短調・・変ホ短調・・。
・・・!!」
科警研
「あ!!」
拘置所で穏やかに微笑む純。
ピゕノの上に、田舎で撮った姉との2ショット写真を置く優。
コンサート会場
突然立ち上がる九十九。
「そうか!ドミラレは・・!!」
科警研
頭蓋骨のマッチングをしていた難波たち。
「うわぁ!偉いもんに当たったぞ!」
「難波さん、こっちも見て下さい!」
頭蓋骨の人物が割り出され・・。
殺されたのは自分の婚約者だというのに、そのことに関しては少しもうろたえることのなかった純。
「弟は、記憶障害なのよ!!」と警察に刃向かっていたのに
自分が犯人だと証拠を突きつけられると、小さくため息を吐き、証拠のハンカチがどこに落ちていたのか聞き出し、そして豹変。
木村多江さん、さすがでした!
記憶障害の弟の世話は大変だったかもしれませんが、
それでも姉は弟のことを愛していたと思います。
警察に捕まってしまったあとの彼の心配をする彼女の様子に
それが現れていました。
純は何を守ろうとしているのでしょう。
真犯人のことを愛しているのか?
真犯人がハンカチをあの場に置いた理由は?
罪は優に被せたの上に、保険で、純にまで罪を被せようと?
どうやら真犯人らしいあの人のコメントからは
優に対する弟子としての愛情が感じられませんでした。
彼の才能に嫉妬していたり?
紛失している数枚のメモと楽譜。
そこに、大きな秘密があるようです。
優にとって、メモは出来事の記憶、曲は感情を記憶するもの。
7年前(2002年)、優、脳内出血で倒れる。
5年前(2004年7月2日)楽譜はあるがメモがない。
優はこの日の日付の楽譜を弾き出すと、呼吸困難を起こしてしまった。
その日、恐ろしい事が起きてしまったのでしょうね。
2006.8.10のメモには
『姉さんと湖。
ボート。
星がふる。
』
この時のメージは穏やかなもののようです。
2004年と2006年の夏に何があったのか。
湖のほとりで発見された白骨遺体は、どう関係してくるのか!?。