神様もう少しだけ神啊,再给我点时间吧 日文剧本

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<第1回> 「命を懸けた恋が今始まる…エイズウィルス感染の告知」
 「啓吾!啓吾!」。

熱狂的なコールを浴びても、人生に満たされないものを感じる啓吾(金城武)は無感動だった。

 サラリーマンや若者、ルーズソックスの女子高生らが行き交う東京・渋谷の街。

トイレで着替え、化粧する女子高生らのなかに真生(深田恭子)がいた。

真生は、そんな周囲に最近、ついて行けなさを感じてもいた。

 真生にとって啓吾はカリスマ的存在だった。

その啓吾がプロデュースする歌手・カヲル(仲間由紀恵)のCDを、CDショップで見つけた真生は、視聴用CDを、ちょっとイイ仲のイサム(加藤晴彦)に聞かせる。

 そのころ啓吾は、コンサートのリハーサル中だった。

気に入らない演奏をしたギタリストを怒鳴りつけ、啓吾はワンマンそのもの。

だが、啓吾は心の空しさを埋めるため、傲慢に振る舞っていた。

 真生は啓吾のコンサートチケットを買う。

しかし、財布ごと電話ボックスに置き忘れ、どうしてもコンサートに行きたい真生は、友達の麻美(矢沢心)と相談、ダフ屋から買うには5万円ぐらい必要と、H無しの援助交際で金を稼ごうとする。

 危険な目にも合いやっと見つけたカモの青年。

青年は喫茶店でねばったあげく、約束の金を払おうとせず、真生は“サイテーな奴”とフン然とするが、「石川啓吾の曲が好き」と青年から聞き、二人はラブホテルへ───。

ベッドに置かれた5万円。

真生の心に空しさが広がった。

実は、チケットはイサムが拾っていたのだった。

 真生の家族は、家族にはすっかりあきらめきった父親義郎(平田満)に、母の弥栄子(田中好子)、中学受験を目指す弟の悟(佐々木和徳)。

 翌日、真生は啓吾のコンサートに行き、ファンの渦の中にいた。

援助交際の空しさを吹きとばそうとカヲルが歌う啓吾の曲に酔う真生だが、啓吾は「この中にホントに歌を聞いているヤツが何人いる」と、客席の熱狂を感じながら冷たく言い放つ。

啓吾はコンサートが終わったカヲルを怒鳴りつる。

カヲルが歌詞を違えて歌ったためだった。

 帰宅しようと真生と麻美が乗ったタクシーが、啓吾のワゴン車に出くわした。

真生はタクシーを降り、雨の中、啓吾のワゴン車を必死に追った。

信号待ちのワゴン車に追いた真生は「I LOVE KEIGO」の布を歩道橋の上で高々とかざす。

そんな必死の表情の真生と啓吾の視線が絡んだ。

 一人とぼとぼと帰る真生の前に、ワゴン車で走り去ったはずの啓吾が突然現れた。

信じられない真生。

どちらが誘い、誘われるという風もなく真生は啓吾の部屋へ。

啓吾の前で逆立ちするなどあどけなく振る舞う
真生から、戸惑うように目をそらす啓吾。

そんな啓吾を真生は、母のように抱き締め、啓吾にとって真生は忘れられない存在になった。

一方、真生にとっても啓吾との出会いは人生を一変させた。

 そして三カ月、二人を待っていた現実は、HIV感染という事実だった。

<第2回> 「好き…貴方が命を奪ったとしても」
 「HIV感染」、「エイズ」。

真生(深田恭子)の頭の中は、医師平塚(伊佐山ひろ子)の言葉が巡っていた。

「まさか!」、「死ぬ!」。

真生は空ろな足取りで病院を出てきた。

 そのころ、啓吾(金城武)は、約束の時間が過ぎても現れない真生にがっかりしていた。

 やっと家にたどり着いた真生。

だが、だれもいない。

独りぼっちの真生。

麻美(矢沢心)に呼び出されクラブ・セナで仲間たちと合流した真生は、一人落ち込んでいた。

エイズ撲滅キャンペーンコンサートに啓吾が出演することを知っただれかが「一番危ないのは啓吾じゃない」の一言に、真生はハッ!。

真生は店を飛び出し、啓吾が収録のためいるテレビ局へ。

 局から出てきた啓吾はファンに囲まれ、急ぎ足で車に乗り込む。

近付こうにも近付けない真生。

スタッフの一人に、真生がいたことを知らされ啓吾がしばらくして真生の前に戻ってきた。

「乗れよ」。

促されるままに車に乗り込み、啓吾の家に来た真生は、涙をためながら「明日死ぬとしても恨まない」と唐突に啓吾に言い、啓吾が止めるのも聞かず去っていく。

 家族も、真生の様子のおかしさに気付くが、父の義郎(平田満)は「今に始まったことじゃない」と取り合わない。

学校を休み、真生はイサム(加藤晴彦)に検査をするよう勧める。

理由の分からないイサムだが、真生は真剣。

 啓吾には忘れられない女性がいた。

ピアノの上の写真と、真生が忘れていった血染めのハンカチを見ながら、啓吾は写真の女性と真生を重ね合せていた。

そんな啓吾が思い詰め真生のケータイに電話。

「なんであんなこと言うんだ。

死ぬなら勝手にに死ねよ」と捨て鉢な啓吾に、真生は「啓吾に会って人生が変わったよ。

生き生きした」と真生は本心をぶつける。

またまた分からなくなる啓吾だった。

 イサムの検査結果はシロ。

イサムの励ましに真生はHIV感染であることをひととき忘れるが、二度目の検査結果もクロだった。

真生が
ショックで部屋に閉じこもっていると、啓吾がオープンカーで訪ねて来た。

恐る恐る啓吾にHIVについて尋ねると啓吾はシロという。

啓吾のコンサートに行くため、一度のウリでHIVに感染したことを真生は知る。

そんな真生に啓吾は優しい。

その優しさを振り切るように、真生は
啓吾に、HIVキャリアーであることを打ち明けるのだった……。

<第3回> 「生きている…その喜びと悲しみよ」
 真生(深田恭子)は二度目のHIV検査もクロだった。

一方、ある女性の死からいつ死んでもいいと思う啓吾(金城武)だったが、真生からHIVに感染していると聞かされ、死に対し真正面に向き合うことに
なった。

 イサム(加藤晴彦)に二度目もクロだったと知らせにいったことから、真生がHIVに感染していることを、イサムの今の恋人、香奈(田中有紀美)が知る。

真生は自分がHIVに感染していることを知っても、変わらないイサムに心を和ませるのだった。

 イサムに見せられたカヲル(仲間由紀恵)のファンクラブの会報で、真生は自分にHIVを移した男を見つけ、その男を探し始めた。

しかし、男は仕事を辞め住所も移し、居所が分からない。

 啓吾は、自分もHIVキャリアであるかもしれない、死に向き合った自分に、いらだちの日々を送っていた。

街を歩き、ファンにぞんざいになってしまう啓吾。

 真生が啓吾のマンションにやって来た。

中をうかがっていると啓吾が帰ってきた。

「検査受けた?」と聞く真生に、啓吾は「どっちでもいいだろう。

人は死ぬ時が来たら死ぬんだ」と捨て鉢。

そんな啓吾に「私はさ……、ムチャクチャ生きていたい。

死にたくないっ!」。

真生は真顔で言い放つのだった。

 真生の誕生日が近付き、母の弥栄子(田中好子)は「本当に困ったことがあったらなんでも話して」と優しく言う。

心をぐらつかせる真生だが、HIV感染については話せない。

学校では、香奈が「真生 要注意!」とひろめ、真生はイジメに会う。

独りぼっちの真生。

そんな時、弥栄子からのバースデープレゼントを見て、真生は弥栄子に悩みを打ち明けようと、弥栄子の店に出向くと、弥栄子が不倫相手の浩之(竹下宏太郎)から、キスを受ける場面を目撃、ショックを受ける。

 孤独感の中、ベッドに突っ伏した真生に啓吾からケータイに電話。

「疲れちゃった」「仲間が欲しいよ」。

初めて啓吾に弱音を吐く真生。

そんな真生に啓吾は愛しさが込み上げてきた。

 真生に対する学校でのイジメは続いている。

全体から無視される真生。

真生は心配する親友、麻美(矢沢心)にHIV感染を告白、麻美は呆然とするだけだった。

 家庭でのバースデーパーティー。

孤独感を深める真生は、家に入れず、いつの間にか、啓吾のマンションに来ていた。

啓吾はいない。

いつしか雨が降り出し、一人待つ、真生の前に啓吾。

 啓吾のHIV検査はシロ。

そのことを話そうとしない啓吾だが、真生は偶然知り「啓吾がシロでうれしい」と言葉を残し、夜の街にさまよい
出ていくのだった。

<第4回> 「最後の愛を失った時少女は…」
啓吾(金城武)がHIVに感染していないことを真生(深田恭子)は知り、安心すると同時に、啓吾は健康な“別世界の人”と、気持ちをふっ切るように啓吾の部屋を出てきた。

その帰り道、HIVを移した青年を真生は偶然街で見つけ跡を追った。

青年、野口(永堀剛敏)はうらぶれたアパートに独り住んでいた。

「知ってたの?」と食ってかかる真生に、HIV感染のせいで体力が低下している野口は、入院して知り、郷里の両親にも話せず、仕事を辞め、貯金を取り崩しながら生活している、と真生に告げるのだった。

野口の孤独な生活に、真生はいたたまれなくなる。

 そのころ、弥栄子(田中好子)は、偶然、真生の教科書を見て、真生の異変に気付いた。

帰った真生を問い詰める弥栄子に「自分も外に男を作って」と真生。

弥栄子に、動揺が走る。

 真生へのイジメはエスカレートする一方。

母親にも裏切られた思いの真生は孤独感を深めるが、真生の苦悩する姿を啓吾がじっと見詰めていた。

啓吾は突然真生の前に現れ、真生を励まし、独りでないことを伝えようとケータイの番号を教えるのだった。

啓吾の励ましで心強くした真生は珍しくルンルン。

そんな真生に弥栄子は、不倫を打ち明けるが、真生は「お父さんは仕事一方だし、いいじゃない」。

しかし、心のなかで、真生は寂しかった。

 啓吾は、新曲ができず悩んでいた。

何もしてやれず死んだ恋人リサ(宮沢りえ)のことが、啓吾の心を塞ぎ、啓吾は新曲が作れずにいた。

真生は学校で、体育の授業のため脱いだ制服がごみ箱に捨てられてしまう。

陰湿化する真生へのイジメ。

啓吾の声を聞き元気になろうと、ケータイに電話すると、つながらなかった。

啓吾は、気持ちのもやもやを払おうとリサの墓参りにきていたのだった。

墓の前で、リサを思う啓吾。

そこへリサの妹で、啓吾の歌を歌うカヲル(仲間由紀恵)が現れた。

 学校から帰った真生は、弥栄子が父義郎(平田満)に別居を言い出すのを立ち聞き、寂しさがつのる。

カヲルは啓吾を愛し始めていた。

「同じ恋なんてない」と、啓吾のマンション近くまで送ってもらったカヲルは車の中で、啓吾にキス。

その様子を、啓吾に会いにきた真生が目撃する。

事情を知らない真生は、深い失望感と喪失感で、逃げる様にその場から走り去る。

啓吾は真生を追うが……。

<第5回> 「心開いてご覧…君は一人じゃない」
啓吾(金城武)がカヲル(仲間由紀恵)とキス。

母、弥栄子(田中好子)の不倫。

再び孤独の中に突き落とされた真生(深田恭子)は、轟音を立て走る電車に、ふらふらと向かっていった。

その真生を、間一髪イサム(加藤晴彦)が救った。

 リサ(宮沢りえ)への思いが残る啓吾は新曲がでず窮地に立ってい
た。

 真生の事故が、自殺未遂と知り、病院に駆け付けた義郎(平田満)や弥栄子は心中穏やかでない。

病院のベットで目覚めた真生は、そんな両親に捨て鉢に「自分はエイズだ」と宣言する。

義郎、弥栄子、弟の悟(佐々木和徳)は呆然。

原因はセックスと続ける真生に、義郎は怒りを爆発させた。

 新曲ができず悩む啓吾は荒れるが、どこか覚めていた。

啓吾とカヲルの関係が、スポーツ紙や雑誌で取り沙汰され始め、真生も気にしていた。

 「あんたにも関係があるだろう」とイサムから真生の入院を聞いた啓吾は、真生を見舞った。

「人に期待して愛されない腹いせに死ぬなんて最低だ。

死ぬならもっと本気で生きろ」と真生に話す啓吾。

一方真生も、「啓吾は本気で生きているの。

人にできない音楽があるのに」と話す。

二人は知らず知らずお互いを励ましていた。

真生の言葉が勇気をくれたように啓吾は、新曲作りを始めた。

 退院し久々に家族四人で夕食を囲む真生。

そこへ弥栄子に電話がかかった。

真生は不倫相手からと察知し、「お母さんは浮気している」と、家を飛び出していく。

その真生を追う弥栄子。

弥栄子は不倫も解消する決意でいた。

「あなたが元の体に戻るなら、お母さん、なんでもする」と追いついて話す弥栄子だが、そんな弥栄子を突き放すように真生は、売春してHIVに感染と話すのだった。

虚しい真生。

 真生が盛り場をうろついていると、啓吾の声がラジオから聞こえてきた。

「彼女のために、この曲を作った」と話す啓吾。

真生は次第に気持ちが落ち着いてくるのだった……。

 一方、そのころ啓吾には、「高校生と援助交際?」と取材が入っていた。


<第6回> 「生きるための闘い…勇気を下さい」
 啓吾(金城武)の新曲をリリースしてくれる会社はなかなか見つからなかった。

真生との付き合いを嗅ぎ回るマスコミも気になる啓吾。

 一方、真生(深田恭子)は治療を受ける気になり病院へ。

「生きる目標をもつことは、感染とは関係ないはず」。

医師、平塚(伊佐山ひろ子)の言葉が、心に突き刺さり、苦悩してきた真生に生きる力がわいてきた。

 病院の帰り、CDショップに寄った真生は、麻美(矢沢心)らにばったり。

気まずさを感じる真生に「謝りたかった」と麻美が駆け寄ってきた。

家では、義郎(平田満)と弥栄子(田中好子)が、険悪なムード。

「彼とは別れた。

今、あの子を本気で支えられるのは私たちしかいない」。

弥栄子の話を、立ち聞きした真生は胸が熱くなった。

 意を決し学校へ通い始めた真生。

登校すると、真生へのイジメは続いていたが、麻美が「ガキっぽいこといい加減によしたら」とクラスメートに向かって言ってくれ、真生を庇う。

 麻美の言葉で、真生の回りに友達が戻ってきたが、真生は、以前のようには打ち解けられなかった。

真生は強くなっていたのだ。

そんな思いを話そうと、真生は啓吾に会いに行った。

張り込む記者の目を巧みに避け、啓吾はレコーディングスタジオから真生を連れ出した。

真生は、あるがままの自分を知ってもらうため感染したことを公言したくなったと啓吾に話すが、啓吾は「世の中甘くない。

上っ面だけ見て、切り捨てていくのが世間」と反応。

そんな啓吾に真生はがっかりする。

 義郎も「世間が知ったら」「世間から見たら」と、世間、世間を口にする。

そんな大人たちに、自分らしく生きようと自覚した真生は反発心が生まれていた。

 啓吾がレコード会社と契約切れ状態であることをラジオで知った真生は、終業式の朝、啓吾に会いに行った。

「自分らしく生きたい」と話す真生に啓吾も「自分の人生の責任は、自分でしか取れない」と真生に同意、その力強さに心を動かす。

 真生らに停学処分が発表された終業式。

啓吾が見守る中、真生は一人壇上に上がり、HIVに感染していることを公言した。

「感染し、生きていることの素晴らしさを知った」。

堂々と話す真生に感動の輪が広がった。

スキャンダルの発覚は啓吾の命取りにつながる。

しかし、堂々と話す真生に、啓吾もある覚悟を固めるのだった。

 その様子を見逃さなかった記者により、啓吾のスキャンダルは全国を駆け巡ることに。

二人の今後は……。

<第7回> 「好きじゃなきゃ、生きていけない」
 薬の副作用が、真生(深田恭子)に出始めた。

一方、啓吾(金城武)は、真生との関係がマスコミに取り沙汰され、新曲発売が頓挫、その上、真生が受けた取材がもとで、週刊誌に二人の関係が興味本位に取り上げられ、所属事務所にもいられなくなる。

 真生がHIV感染を宣言したことを、父、義郎(平田満)は「病気と戦うことと、言いふらすことは違うんだ!」と、真生を強く叱った。

悟(佐々木和徳)が自分のせいでカツ上げされるを目撃した真生は、心からすまないことをしたと思うのだった。

 窮地に立った啓吾は、アメリカで出直す覚悟を固めた。

そんな啓吾に、カヲル(仲間由紀恵)は未練がましく迫るが、啓吾は相手にしない。

真生も週刊誌を読み、啓吾や家族にかけた迷惑に、心苦しい。

そんな真生を弥栄子(田中好子)は「好きな人がいて良かった。

その気持ちを大切にして」と、励ますが、立ち聞きした義郎は、愛人との関係のことと誤解し、家を出る。

真生のHIV感染は家庭崩壊を招くことに。

 母に励まされ啓吾の役に立とう音楽出版社を訪ねた真生は副作用のせいで倒れた。

最後のコンサートのリハーサル中だった啓吾はそれを聞き、カヲルの制止をよそに、真生の家へ向かった。

そのころ、気分の良くなった真生は、見舞いに来たイサム(加藤晴彦)に手伝わせ、啓吾の
曲をかけてくれるようラジオ局にハガキを書いていた。

 疲れて眠る真生の部屋に啓吾。

ハガキを見て、心を揺らす啓吾はコンサートのチケットを置き部屋を出る。

その啓吾を真生が追いかけてきた。

息を切らす真生に、啓吾はアメリカに行くことを告げ、「もう自分にはかまうな。

迷惑だ」と突き離す。

啓吾の言葉が信じられない真生。

立ち去る啓吾を真生は無言で、見送るだけだった。

 啓吾は真生が自分の中で、大切な存在になっているのに「迷惑だ」と言った自分が信じられなかった。

そんな啓吾に、追い討ちをかけるように最後のコンサートが中止になった知らせが入る。

やはりスキャンダルのせいだった。

 アメリカに行く準備に専念する啓吾が思い起こすのは、真生のことばかり。

啓吾が、ふらりと訪れた、誰もいないはずのコンサート会場に─────。

<第8回> 「お前を死なせない」
中止になったコンサート会場に、一人いた真生(深田恭子)を強く抱き締める啓吾(金城武)。

二人だけの時間が流れ、真生に力が蘇ってきた。

 しかし、やはり真生は高校生。

家に帰りつくと死の恐怖から逃れようと母、弥栄子(田中好子)に抱きつくのだった。

そのころ啓吾も自宅で、死を前にしたリサ(宮沢リエ)に何もしてやれなかった自分を思い出していた。

真生に何がしてやれるのか、迷いもある啓吾だった。

 啓吾にニューヨークで仕事があるという知らせが入った。

先方は急いでいるらしい。

決断を迫られる啓吾だが、煮え切らない。

カヲル(仲間由紀恵)も「どうして」と、啓吾をなじるが、啓吾は真生のことが気掛かりだったのだ。

 真生には、発病を遅らせる薬がなかなか見つからなかった。

医師平塚(伊佐山ひろ子)も焦るがどうしようもない。

真生はHIVを感染させた野口(永堀剛敏)に会い、いつしか野口を励ましていた。

啓吾への愛が真生に力を与えていた。

今度こそ副作用のない薬であるようにと、祈りながら、真生は新しい薬を試す。

 最愛の人だったリサの死。

今、自分に救いを求めている真生。

気持ちが整理できないまま、啓吾は渡米の手続きを進めていた。

そんな啓吾とリサの関係を、啓吾を訪ねた真生は、カヲルから聞く。

飛び出して行く真生を追ってきた啓吾の腕のなかで真生は気分が悪くなる。

最後の望みだった薬も真生に効かなかった。

 薬が効果がなかったことに弥栄子のショックも大きかった。

その気持ちを紛らわそうと弥栄子は、別れた恋人の浩之(竹下宏太郎)を訪ねてしまい、その上、浩之に送られ帰宅するところを、家を出た義郎(平田満)に、たまたま目撃されてしまう。

真生のHIV感染のせいで、塾に
行けなくなった悟(佐々木和徳)。

叶野家は崩壊寸前だった。

 カヲルが、真生に傾く気持ちを押しとどめ、アメリカ行きを決断させようと、啓吾の部屋で自殺未遂事件を起こす。

そのせいもあり、渡米を決意した啓吾は、真生を訪ねた。

「優しくしないで、辛いから」という真生に啓吾は何も言えない。

ただアメリカへ行くとだけ言い去ろうとする啓吾に真生は「会えて楽しかったよ」と、悲しみをこらえながら話すのだった。

 そして、啓吾の渡米の日がやって来た。

<第9回>「運命が愛を踏みにじる」
 成田から引き返してた啓吾(金城武)は、真生(深田恭子)を追って「アメリカに一緒に行こう」と告げた。

啓吾の言葉は真生をこの上ない幸せにした。

自宅に帰り弥栄子(田中好子)に、話すと「真生の幸せは私の幸せ」と弥栄子は真生を応援してくれた。

 幸せいっぱいの真生は、街で見つけた、安物だがお互いのイニシャルの入ったペンダントを啓吾と交換し合う。

そんな幸せ気分の中、真生は麻美(矢沢心)に出会った。

啓吾を見てびっくりする麻美だが、真生に、スタイリストを目指しているとはっきり言う麻美。

 真生は、父、義郎(平田満)を会社に訪ね、啓吾と一緒にアメリカに行く、と打ち明けた。

無論、義郎はイエスとは言わない。

一方、弥栄子は元恋人浩之(竹下宏太郎)から届いた新規開店のはがきを見て、辛い気持ちでいた。

真生のHIV感染で、浩之との交際を諦めた弥栄子。

真生は弥栄子の表情から何か察し、弥栄子を励ます。

 啓吾のアメリカ行きは、真生のHIV感染のため難しい問題があった。

スキャンダルを気にする音楽関係者、感染者に部屋を貸し渋る不動産業者。

治療のための病院探しなど……。

その逆風のなか、真生を大切に思う啓吾は戦う。

 「愛一直線。

お前らしい」と、イサム(加藤晴彦)にも励まされる真生はうれしい。

義郎が自宅に戻って来た。

義郎は、真生のアメリカ行きを承服できなかったが、父親の役割を果たせなかった自分を深く反省していた。

父を誘い真生は久々に河原を散歩した。

真生は、その無力さを率直に語る義郎に、心を動かされる。

 家に戻ると啓吾がいた。

自分らしい仕事がしたいと宣言した麻美、悟(佐々木和徳)には、自分で決めたら東大頑張れといった自分、そのうえ父、義郎の気持ちにも触れ、自分らしさを見つけようと思う真生は、アメリカに行かないと啓吾に言う。

戸惑う啓吾だが、真生には、部屋探しなどの障害については話さず「(成田で)待っている。

気持ちが変
わったら」と言い残し、去って行った。

 義郎は、考えあぐねた末、子ども達の前で、それぞれ正しいと考えた道を歩むべきだと、弥栄子との離婚を語る。

真生にも体だけは大切にしてほしいと涙ながらに話す義郎。

弥栄子も涙が止まらない。

その両親の
励ましに、真生は、再び啓吾と一緒にアメリカに行く決意を固め、空港に行く。

そこにはカヲル(仲間由紀恵)がいた・・・。

<第10回>
 啓吾(金城武)がアメリカに旅たち三年。

カヲル(仲間由紀恵)の嘘から、啓吾と真生(深田恭子)は、引き裂かれたのだが、啓吾に捨てられたと思う真生は、やっとその辛さを乗り越え、インテリアコーディネーターを目指し専門学校に通い、今、就職活動をしていた。

そんな真生を、弥栄子(田中好子)と義郎(平田満)は、心から応援していた。

元気に就職活動する真生だが、体の免疫力は低下、発病の危機に立たされてもいた。

 アメリカで成功した啓吾が凱旋公演のため帰国。

空港で啓吾は、スキャンダル記者江崎(山西惇)から真生が結婚すると聞く。

イサム(加藤晴彦)が江崎を追い払うため話したデマカセだったが、なぜ真生はあの時来なかった?悩み続けていた啓吾は意を決し、真生の家を訪ねた。

そこで啓吾は、真生宅に出入りするようになったイサムから、「真生は三年前アンタに捨てられて」と聞かされる。

「捨てられて…?」。

「違う!」。

啓吾は初めてカヲルの嘘に気付くのだった。

 真生にやっと内定通知が届いた。

会社に行くと、同じ高校の出身者にバッタリ。

体のことを聞かれハッ!とした真生は、隠すのはやめようと、HIVに感染者であることを告げる。

「大丈夫」。

案内役の社員は言ってくれたのだが…。

 真生は、啓吾のことは、もう過去のこと、と思いつつもコンサート会場にやって来た。

看板を見上げる真生の姿を控え室の窓から啓吾が見つけ追った。

追うのを諦めかけたとき、啓吾の視線の先に真生。

三年ぶりに見詰め合う啓吾と真生。

二人は、お互いの気持ちを探るように話し始めた。

 二人はこの三年間、悩み、苦しみ、辛さを乗り越える努力を、それぞれしてきた。

穏やかに話しをするうち二人とも、その苦しみがわかり合えてくるのだった。

 真生は、経営の悪化を理由に内定を取り消される。

HIV感染者であることを打ち明けたせいと真生は落ち込み、外を歩いていると啓吾がいた。

「どうした」。

啓吾に声に真生は、涙がドッとあふれ、そんな真生を啓吾は優しく抱き締めた。

「お前と一緒にいたい。

一分、一秒もムダにしたくない」。

今度こそ一緒にアメリカへ行こうと啓吾は真生を誘うのだった。

 その夜、真生は啓吾に抱かれた。

二人の前に幸せが広がるかにみえたが……。

<第11回>
 「神様、もう少しだけ」という啓吾(金城武)の祈りも虚しく、真生(深田恭子)は、ついにエイズを発症した。

啓吾はアメリカに戻ること
を迫られていたが、「俺がついている」と、死を意識、不安いっぱいの真生をつきっきりで励まし続けた。

 一方、弥栄子(田中好子)や義郎(平田満)は半ば覚悟していたこととはいえ、真生の発症で受けたショックは大きかった。

そんな逆境を真生は、啓吾に見守られていることが力になり、持ち前の元気さもあり乗り越えることができた。

しかし、退院も間近に迫ったとき、真生は啓吾の子を妊娠していることが判明する。

 「啓吾の子を生む」。

真生は元気づくが、啓吾は前の恋人リサ(宮沢リエ)を妊娠中毒症で失っており、その上、真生がエイズを発症し、免疫力が低下していることなどから、素直にうなずけない。

弥栄子も出産には反対。

そんな周囲に真生は悲しく、やるせない。

イサム(加藤晴彦)から「赤ん坊もHIVに感染しているかもしれないんだろう」と言われるまでもなく、真生はエイズを発症している自分が子どもを持つことに大きな不安を感じていた。

 啓吾は真生のせいでアメリカ行きが遅れていることから、損害賠償を求められる窮地に立っていた。

それでも真生を大切に思う啓吾はアメリカに戻ろうとしなかった。

そんな啓吾の将来を案じ、カヲル(仲間由紀恵)は真生に会い、啓吾の苦境を説明。

「アメリカ行きを勧めてほしい。

あなたに万一のことがあると、啓吾は生きられない」と熱く説得する。

辛い決断だったが、真生は子どものことは諦め、堕すことを決意、音楽があってこその啓吾と、啓吾にアメリカ行きを勧めた。

その思いを込め、小さな星のついたMのペンダントを啓吾にプレゼントする真生。

「この星は私たちの子」と切なく話す真生に啓吾は愛しさが増す。

 堕胎のため訪れた病院で真生は「叶野さん」と呼ばれ動けなくなる。

堕したくない。

揺れる真生の前に啓吾が現れた。

「体の前に心がズタズタになるだろう」。

啓吾の一言に真生は決意を翻し、啓吾の子を生む気持ちになる。

弥栄子も内心、真生が好きな人の子を生むことを応援していたよう。

 啓吾はコンサートのためアメリカに旅立った。

それから半年、真生は苦手の牛乳をお腹の子のために飲み、啓吾も行く先々から、真生を励ますビデオを送ってきた。

真生は母子ともに順調だった。

そして半
後・・・・。

<第12回>
 帰国する啓吾(金城武)のため、夕食を作り、花を買いに出た真生(深田恭子)は、突然苦しみ出し、そのまま病院に運ばれた。

エイズを発症しての妊娠は、真生の体に大きな負担をかけていた。

 弥栄子(田中好子)と義郎(平田満)は医師から子どもも、真生も予断が許さない状態であると聞かされた。

刻々と時間が過ぎる。

そこへ啓吾がやっとやってきた。

真っ青な真生の顔を見て死を予感する啓吾だが、啓吾が触れた瞬間、真生がゆっくり目を開けた。

「遅いよ」という
真生に「ずっと元気でいる。

そう約束したじゃないか」と啓吾は励まし、真生の指に約束の指輪をはめてやるのだった。

 真生は、啓吾の愛に包まれ、体力を回復、二人だけで教会で永遠の愛を誓う。

幸せな二人。

だが再び真生は陣痛に襲われた。

「この子だけは産みたい。

私はどうなってもいい」。

真生の切実な言葉が頭をよぎり、啓吾は弥栄子らが聞いていることを承知で「万一のときは子どもを助けやって下さい」と分娩室に向かう医師に告げる。

辛い決断だった。

 切迫した空気のなか、赤ん坊は産まれた。

女の子。

赤ん坊はチアノーゼを起こしており、真生同様危険な状態だった。

体力を使い切った真生だが、「赤ちゃんが見たい」「元気づけたい」と言う。

真生自身、動くことは大変危険だったが、啓吾は、意を決し、真生を抱き上げ、保育器にはいる赤ん坊を真生に見せるのだった。

 危篤状態に陥った真生。

時間だけが過ぎる。

ただ祈るしかない啓吾は、後悔の思いでいっぱい。

そんな苦しむ啓吾に、弥栄子が真生が撮った子どもへのメッセージビデオを見せた。

必死に母であろうとする真生。

啓吾は感動し、涙が止まらない。

「真生。

目を覚ませ」。

集中治療室で啓吾はベッドの真生に必死に呼び掛けた。

願いが通じたのか啓吾が落とした涙に起こされるように真生が目を開けた。

「何、泣いてるの?」と真生。

真生は奇跡的に元気を取り戻した。

啓吾の愛に包まれ、真生の生きようという気持ちが病に勝ったのだった。

 それから一か月、幸(さち)と名付けた子どもと、真生は無事退院、三人の幸せな新生活がスタートした。

しかし、真生はエイズであることの不安から逃れられず、時折落ち込む。

そんな真生に、啓吾は音楽学校を作る夢を話し「俺がいる。

幸がいる。

お前がいる。

それで十分。

それだけで幸せだ」。

今、この一瞬を精一杯生きようと清々しく諭すように語るのだった。

 再び、数か月、二人は家族、友人、知人を招き、結婚式を開く……。

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