日本现代诗

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日本近代诗,现代诗
かくれんぼ嶋岡晨
木の中へ女の子が入ってしまった
水たまりの中へ雲が入ってしまったように出てきてもそれはもうべつの女の子だ
もとの女の子はその木の中で
いつまでも鬼をまっている
捉迷藏岛冈晨
女孩藏进了一棵大树
就好像云彩受到雨后积水的庇护
从大树中走出却已是另一位女孩的眉目
原先的那位女孩在大树中
永远等待着有人找到她真正的所处
道程(高村光太郎)
道程高村光太郎
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちにさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守る事をせよ
常に父の気魄を僕に充たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため
路程高村光太郎我的前方没有路
我的后方会有路
啊,自然之主
我的父
使我独立我宏大的父
莫将眼睛移开请将我呵护永远将雄浑的气魄给我注入为了这条漫长的路
为了这条漫长的路
沙漠(高村光太郎)
沙漠高村光太郎
ずつしり重い熱気に燃えた沙の海だ明る過ぎてぎらぎら暗い地平線だ
しんかんとして音波に満ちた静けさだ恐ろしい力の息をひそめた蓄積だ
きはまりない円さだ
有り余る虚無だ
獅子と鴕鳥の楽園だ
万軍の神の天幕だ
沙漠、沙漠、沙漠、沙漠、
ひそかにかけめぐる私の魂の避難所だ
沙漠高村光太郎
你是浓重的炎暑中燃沙的海洋
你是灿烂无比而乌光眩目的长天
你是震人心魄而回旋着声波的寂静
你是暗藏破坏力量呼吸的累积
你是无垠的圆周
你是无穷的空虚
你是狮子与鸵鸟的乐园
是千万神兵休憩的帷营
沙漠,沙漠,沙漠,沙漠,
你是我肆意狂奔灵魂的避难之所
初冬(高田敏子)
初冬高田敏子
「この上におかけなさい」
道端の形よい石がいった
誘われて私は坐った
歩きつづけてきた体を石に休ませると空の青さが下りてきて私をつつんだまた歩きつづけるにしても
もう急ぐことはないのだ
枝から離れた枯葉は
地にとどくまでの時をのばして
舞い流れてゆく
地はあたたかな気流を立ちのぼらせて枯葉を舞わせている
私は石に身の重さをあずけ枯葉は気流に身をゆだねてしばしの安らぎ
澄みきった空の青さの下で-
初冬高田敏子
“到我这儿来坐吧”
路边漂亮的石头对我说
我受到邀请坐了下去
让一直赶路的身体得以休息天空的蔚蓝轻轻垂下将我包裹即使又要上路前行
也不用再匆匆忙忙
告别树枝的枯叶
延缓了落到地面的时间
它在空中飘舞
地面升腾起暖暖的气流
任枯叶浮动
我把身体的重量交予石头
枯叶把身体托付给气流
片刻的安逸
就在这纯净的碧空之下
小さな靴(高田敏子)
小さな靴高田敏子
小さな靴が玄関においてある
満二歳になる英子の靴だ
忘れて行ったまま二ヶ月ほどが過ぎていて英子の足にはもう合わない
子供はそうして次々に
新しい靴にはきかえてゆく
おとなの疲れた靴ばかりのならぶ玄関に小さな靴はおいてある
花を飾るよりずっと明るい
小鞋子高田敏子
门口摆着一双小鞋子
那是二周岁的英子的鞋子
忘了穿走已有两个多月
现在都已穿不下
孩子总是这样
一双接一双地把新鞋换上
大人们疲惫不堪的鞋子摆在门口
装点一双小鞋子
比摆上一盆花更觉鲜亮
anonym1(谷川俊太郎)anonym1谷川俊太郎
黙っているのなら
黙っていると言わねばならない
書けないのなら
書けないと書かねばならない
そこにしか精神はない
たとえどんなに疲れていようと
一本の樹によらず一羽の鳥によらず
一語によって私は人
君に答えて貰おうとは思わない君はただ椅子に凭れ
君はただ衆を恃め
けれども私は答えるだろう
いま雑木林に消えてゆく光に聞き得ぬ悲鳴その静けさに
anonym1谷川俊太郎如果保持沉默
我就必须说我在沉默
如果没有灵感
我就必须说没有灵感
那才是精神所在
无论多么疲累
不因一棵树不因一只鸟
只因一句话我才是人
我不指望你给我答案
你只是靠着椅子
你只是倚赖愚众
但是我要给出答案
对着消退去树林的阳光
对着听不到的哀鸣那片宁静
anonym2谷川俊太郎
母ちやん――
それは私の子の声だつたろうかそれとも誰かの
あんなに怯えて
どうしてやればいいのだろう
お前は全体を知つてしまう
私が部分しか示してやれぬうちに駈けつづけて
どつちへ行つたのか
泣きはしないで
もう私には探せない
ひとつの叫び
別の子が聞きわけてくれるだろうかいつか
anonym2 谷川俊太郎
妈妈——
那是我孩子的呼唤
还是别的什么人的
那样地怯懦
不知所措
当我只展露局部的时候
你便会知道整体
我不住地奔跑
跑去哪里
没有眼泪没有哭泣
我找不到你
一声呼喊
或许我能够听辨出那是别家的孩子但愿有那一天
口笛(石川啄木)
少年の口笛の気がるさよ、
なつかしさよ。

青塗の自動車の走せ過ぎたあとの石油のにほひに噎せて、
とある町角に面を背けた時、
私を振回つて行つた
金ボタンの外套の
少年の口笛の気がるさよ、
なつかしさよ。

口哨石川啄木
少年口哨的轻快,
那熟悉的感觉。

蓝色的轿车开过后
那呛人的汽油味道,
当我背对某个街角,
有一位少年回头看了我一眼
他的外套有着金色的纽扣
他口哨的轻快,
那熟悉的样貌。

飛行機(石川啄木)
飛行機石川啄木
見よ、今日も、かの蒼空に
飛行機の高く飛べるを。

給仕づとめの少年が
たまに非番の日曜日、
肺病やみの母とたった二人の家にゐて、
ひとりせっせとリイダアの独学をする眼の疲れ…
見よ、今日も、かの蒼空に
飛行機の高く飛べるを。

1911.6.27/TOKYO 飞机石川啄木
看呐,今天也,在那苍空
飞机高高地掠过。

打杂的少年
偶尔在歇班的星期日,
和患肺病的妈妈守在唯有二人的家中,一个人拼命自习阅读而疲劳的眼睛…看呐,今天也,在那苍空
飞机高高地掠过。

初恋島崎藤村
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり
わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな
林檎畠の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと問ひたまうこそこひしけれ
初恋岛崎藤村
初初挽起的额前的发
就在苹果树下遇见
插在发梢的花梳
是如花一般我情思的你
脉脉伸出白皙的手
苹果给我递来
淡红的秋天果实
正是你我恋爱的初始
我无趣的叹息
拂动你的青丝
快乐的爱的杯盏
斟满了你的情意
苹果林中苹果树下
那天成的小路
是谁初次踏过如爱的信物
你的细语我仍记住
光のくだもの(大岡信)
光のくだもの大岡信
きみの胸の半球がとほいとほい
海のうへでぼくの手に載つてゐる
おもいおもい光でできたくだものよ
臓腑の壁を茨のとげのきみが刺し
きみが這ふ
遠さがきみをぼくのなかに溢れさせる
不在がきみをぼくの臓腑に住みつかせる
夜半に八万四千の星となつて
夢をつんざき
きみがぼくを通過したとき
ひび割れたガラス越しにぼくは見てゐた星の八万四千がきみをつらぬき
微塵に空へ飛び散らすのを
光的果实大冈信
你胸部的半球好远好远
海面上托起在我的手掌之间
沉沉的沉沉的光的果实
在我脏腑的内壁你好似荆棘匍匐
牵扯
距离让你在我的内心不断翻涌
寂寞让你在我的脏腑停下脚步
夜半时分你化作八万四千颗星辰
将梦儿劈开
划过了我的脑海
透过碎裂的窗户我看见
八万四千颗星辰
穿过了你的身体
化作微尘四散去了星空
片恋(北原白秋)
片恋北原白秋
あかしやの金と赤とがちるぞえな。

かはたれの秋の光にちるぞえな。

片恋の薄着のねるのわがうれひ
「曳舟」の水のほとりをゆくころを。

やはらかな君が吐息のちるぞえな。

あかしやの金と赤とがちるぞえな。

单恋北原白秋
槐叶的金黄与赤红凋零了。

沐着拂晓的秋光凋零而去。

披着法兰绒薄衣我单恋的忧郁
在拖船的河畔逆水步移。

四处弥漫你温柔的叹息。

槐叶的金黄与赤红凋零而去。

雙蝶のわかれ(北村透谷)
雙蝶のわかれ北村透谷
一つの枝に雙つの蝶、
羽を収めてやすらへり。

露の重荷に下垂るる、
草は思ひに沈むめり。

秋の無情に身を責むる、
花は愁ひに色褪めぬ。

言はず語らぬ蝶ふたつ、
斉しく起ちて舞ひ行けり。

うしろを見れば野は寂し、
前に向へば風詰冷し。

過ぎにし春は夢なれど、
迷ひ行衛は何処ぞや。

同じ恨みの蝶ふたつ、
重げに見ゆる四の翼。

雙び飛びてもひえわたる、
秋のつるぎの怖ろしや。

雄と雌も共にたゆたひて
もと来し方へ悄れ行く。

もとの一枝をまたの宿、
暫しと憩ふ蝶ふたつ。

夕告げわたる鐘の音に、
おどろきて立つ蝶ふたつ。

こたびは別れて西ひかし、
振りかへりつつさりにけり
双蝶的别离北村透谷
一条枝上一双蝶,
收拢翅膀暂作休憩。

难以承受沉重的露水,
低垂的草儿陷入沉思。

秋意无情地拷问,
花儿忧伤之间黯然消色。

默默无言一双蝶,
双双起舞齐齐飞去。

回头望四野一片孤寂,
向前飞寒风又难抵御。

春光已逝梦一时,
迷迷之中又要往何处去。

情恨相投的一双蝶,
沉沉甸甸的四片羽翼。

秋风如剑寒意来袭,
双起双飞又如何能敌。

雄蝶雌蝶各自彷徨,
归向原处悄然飞去。

故枝仍作旧宿之地,
一双蝴蝶再作休憩。

钟声频频宣告夕时已至
惊动双蝶四翼再起。

此次分别各飞东西,
频频回望已是别离。

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