大江健三郎

新しい人よ眼ざめよ
1983年の作品
障害を 障害を持つ長男イーヨーとの「共生」を、イ 長男イーヨーとの「共生」 イーヨーとの ギリスの神秘主義詩人ブレイクの詩 神秘主義詩人ブレイクの ギリスの神秘主義詩人ブレイクの詩を媒介 にして描いた連作短編集 作品の背後に 連作短編集。 にして描いた連作短編集。作品の背後に死 定義を 家族とのなにげない日常を とのなにげない日常 の定義を沈め、家族とのなにげない日常を しい筆致 筆致（ひっち）で表出しながら、過去 しながら、 瑞々しい筆致 で表出しながら 未来を展望して危機の時代の人間の して危機 と未来を展望して危機の時代の人間の＜再 希求する 誠実で らかな魂 小説。 する、 生＞を希求する、誠実で柔らかな魂の小説。 大佛（だいほとけ）次郎賞受賞作。 次郎賞受賞作。 大佛 次郎賞受賞作
恢復する家族
1990－1995年の作品
ノーベル賞受賞後初の 感動的長篇エッセイ ノーベル賞受賞後初の、感動的長篇エッセイ 賞受賞後初 さんと共 きる。 光さんと共に生きる。 のやさしい文 のあたたかい画 父のやさしい文と母のあたたかい画で綴る魂の記録 させる力 心を癒（いや）し、恢復させる力はどこにあるのか。 し 恢復させる はどこにあるのか。
戦後新世代の旗手として華々しく登場した大江健 三郎は、初期作品においてまず、閉塞した社会状 況に抵抗し、そこから脱出しようとする若者たち を描いたが、1964年に書き下ろしたこの長編（新 潮文学賞受賞）において、状況から逃げるのでは なく、積極的に引き受けるようとする成熟、自立 した青年像を提示し、中期創作への道を踏み出し た。現在作曲家として知られる長男光の誕生をき っかけとして生まれたこの作品は、その後の大江 と光の親子関係の発展をたどっていく一連の物語 の出発点でもある。
大江健三郎
大江健三郎の紹介
大江健三郎は映画人ではないが、映画にたずさわった日本最大の文化人と して紹介しておきます。 1935年 昭和10 10年 1935年（昭和10年）:1月31日、愛媛県喜多郡大瀬村に大江家の三男として生 まれる。父は大江好太郎、母は小石。兄二人、姉二人、弟一人、妹一人。大瀬 村は隣接する内子町に合併され、内子町大瀬となっている。子供時代、祖母か ら明治時代の一揆の話を繰り返し聞く。現行憲法施行の年に新制中学第一期生 となった大江は、戦後の民主主義の下で少年期を過ごす。 1944年 昭和19 19年 1944年（昭和19年）9歳:父、好太郎死去。 1953年 昭和28 28年 18歳 1953年（昭和28年）18歳:松山東高校を卒業。東京大学を受験するが、試験を 途中で放棄し帰郷。神奈川県の藤沢に下宿し、浪人生活を送る。 1954年 昭和29 29年 19歳 1954年（昭和29年）19歳:東京大学文科二類に入学。サルトルの影響を強く受 ける。東大学生演劇の脚本「天（そら）の嘆き」執筆. １９５７年 １９５７年：「東京大学新聞」に投稿した『奇妙な仕事』が平野謙に賞賛され、 次作『死者の奢り』で注目を集めた。
人の
「妻の思い出では、知的な発育の遅れはしだいにあきらかに では、知的な発育の なったのに、 んぼうの頃から、音楽に敏感に反応し なったのに、光は赤んぼうの頃から、音楽に敏感に反応し ていったということです。ベートーヴェンの曲 くと、 ていったということです。ベートーヴェンの曲を聴くと、 ベーベー』といったし、ショパンの曲 くと『ウンパ』 『ベーベー』といったし、ショパンの曲を聴くと『ウンパ』 という、それは3歳 すでにそうだったのでした」 という、それは 歳の時すでにそうだったのでした」―― 本文より より） （本文より）
作品年表
飼育
1957－1958年の作品
昭和33年度上半期第39回芥川賞（あくたがわ しょう）受賞作品。初期短編作品。東京大学在 学中の作品群。大江健三郎の入門書といって いい作品。 この作品は戦争末期の地方の農村出身の少 年の心と生活を描いたものです。 この年代に『芽むしり仔撃ち』もとても有名です。
ห้องสมุดไป่ตู้
1958年 昭和33年 23歳 1958年（昭和33年）23歳:「飼育」により芥川賞受賞。石原慎太郎・開高健と 33 ともに新世代作家として認められる。同年の処女長編『芽むしり仔撃ち』など、 閉ざされた状況を生きる青年の虚無感を描き、戦後世代の共感を得る。 1960年 昭和35 35年 25歳 1960年（昭和35年）25歳:伊丹万作の長女ゆかり（伊丹十三の妹）と結婚。 1963年 昭和38 38年 28歳 1963年（昭和38年）28歳 :6月13日長男光誕生。 知的障害を持つ長男光の誕 生と原爆被災地広島への訪問とが、大江の文学と人生を変えた。 彼はこの２ つの体験から「人間を励まし勇気づける文学」をめざし、「弱者との共生」を 『個人的な体験』に誓い、「反核・非核」の精神で『ヒロシマ・ノート』を書 いた。 植物や木、森などの自然のイメージを含んだ「村」によって、人間の 再生や救いが追求される作品には『洪水はわが魂に及び』『ピンチランナー調 書』などがある。 その他、代表作に『万延元年のフットボール』『同時代ゲ ーム』『「雨の木」を聴く女たち』など １９９４年：川端康成に次いで日本で二人目のノーベル文学賞を受賞した。 １９９４年
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沖縄ノート
70年代の作品
米軍の核兵器をふくむ前進基地として， 米軍の核兵器をふくむ前進基地として，朝鮮戦争 をふくむ前進基地として からベトナム戦争にいたる持続した戦争 現場に 戦争にいたる持続した戦争の からベトナム戦争にいたる持続した戦争の現場に， 日本および日本人から放置されつづけてきた および日本人から放置されつづけてきた沖 日本および日本人から放置されつづけてきた沖 そこで人びとが進めてきた苦渋 苦渋（くじゅう）にみ 縄．そこで人びとが進めてきた苦渋 にみ ちたたたかい．沖縄をくり をくり返 ちたたたかい．沖縄をくり返し訪れることによっ 著者は 本土とは とは何 日本人とは かを見 とは何 て，著者は，本土とは何か，日本人とは何かを見 つめ，われわれにとっての戦後民主主義 戦後民主主義を つめ，われわれにとっての戦後民主主義を根本的 いなおす． に問いなおす． 『ヒロシマ.ノート』と『沖縄ノート』のルポルタージュは、 彼の政治的、社会的姿勢を示しています。
個人的な体験
60年代の作品
ノーベル文学賞受賞。 1964年新潮社文学賞受賞の名作。 ノーベル文学賞受賞。 1964年新潮社文学賞受賞の名作。 文学賞受賞 異常をもって まれたわが子 をもって生 える青年 青年の 遍歴、絶望と背徳（はいとく） 異常をもって生まれたわが子を抱える青年の魂の遍歴、絶望と背徳 の日々―。 内容： 内容： 27歳 予備校講師鳥（バード） 結婚して もなく子供 して間 子供が 27歳の予備校講師鳥（バード）は、結婚して間もなく子供が生まれようとしてい るのにいまだアフリカへの冒険 冒険（ぽうけん）旅行を夢見ているようなモラトリアム 旅行を るのにいまだアフリカへの冒険 旅行 夢見ているようなモラトリアム 青年である そこに、とうとう子供 である。 子供が まれた、それも頭 異常のある障害児だと のある障害児 青年である。そこに、とうとう子供が生まれた、それも頭に異常のある障害児だと いう知らせを受けて、バードは今後いっさいの行動 自由が われたと絶望 今後いっさいの行動の 絶望し いう知らせを受けて、バードは今後いっさいの行動の自由が奪われたと絶望し、ア ルコールに、そして女友だち火見子との性交渉 逃避する 女友だち火見子との性交渉に する日 ることになる。 ルコールに、そして女友だち火見子との性交渉に逃避する日々を送ることになる。 その間 子供が衰弱死して責任から解放され 火見子と して責任から解放され、 ってアフリカに出発 その間に子供が衰弱死して責任から解放され、火見子と連れ立ってアフリカに出発 することができればというのがバードの期待だったが、その土壇場 期待だったが 土壇場（どたんば）に することができればというのがバードの期待だったが、その土壇場 に きて、 はこうした態度 自己欺瞞（ぎまん）であり、自分の人生を台無しにして 態度が であり、 きて、彼はこうした態度が自己欺瞞 であり 自分の人生を台無しにして しまうと自覚 自覚し ける決断をする。障害を軽減する手術が成功して 決断をする する手術 しまうと自覚し、赤ん坊を引き受ける決断をする。障害を軽減する手術が成功して 退院できることになった子供と できることになった子供 れたバードは、 かに自分 自分が わったこと、 退院できることになった子供と妻を連れたバードは、確かに自分が変わったこと、 大人になったことを になったことを感 大人になったことを感じる 初期の 初期の傑作長編小説 バード）というあだ名 主人公。現実の大江氏と じように頭部に障害 鳥（バード）というあだ名を持つ主人公。現実の大江氏と同じように に った子供 父親である 子供の である。 を持った子供の父親である。 この年代 年代に ヒロシマ.ノート』 有名です です。 この年代に『ヒロシマ.ノート』も有名です。